表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りの父娘ですが、勇者討伐の旅に出ます!  作者: てちてち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/24

16 神界のクソ女神




「アタシはこの世界の管理者の女神よ。頭が高いわよ?」



 イヤ、私寝っ転がっているだけで起き上がれないんだけど?



「アンタには勇者を討伐してもらいたの。分かった?」



「分かりません」私は即答する。



「ハァッ?アンタ頭悪いんじゃないの?アンタの恋人が勇者召喚でこの世界に来ちゃったのよ!アンタは死んで魂だけになっていたから、一緒にこっちの世界に来た所をアタシが拾ってやったの!何度も言わせないでよ!」そう言いながら、また扇で殴って来る。



「誰が信じるもんか、そんなウソ!アンタの方が頭がイカれてんじゃないの!?。カワイソ〜」



 私は何度も殴られ罵倒された事もあり、嫌味たっぷりに言い返してやった。



 自分でも分かっていた。確かに死んだハズなのだ。ドクドクと血が流れて行く様も見ていたし、黒木の体が光ったことも覚えている。



「何ですって!?この小娘がっ!」蔑んだ目で私を見たクソ女神が、また私を殴ろうとした所でじーさんが怒鳴った。



「これ以上無体な真似をするならば、創造神様に申し上げますぞ!」



 ビクッと肩を揺らし、クソ女神が動きを止めた。 「フンッ分かったわよ。説明すればいいんでしょ」



 最初からそうしてよ。



「えーっと、エルダーナ帝国が勇者召喚をして黒木が応えた。ここまでは良いかしら?」



 急にお淑やかに話しているね。聞いた事も無い国の名前を言っていたけど、後でいいか。



「あなたは魂になっていたから巻き込まれたのよ。体が無いままこっちに来ちゃえば、そのまま消滅しちゃう所だったわけ」



 私は死んで魂だけになっていて、消滅する所だったと。



「それをアタシが拾って、新しい体に魂を入れてやったのよ。良かったわね」



 良かった?何がよ。



「それで、創造神様に勇者召喚が行われたのがバレると、色々マズいのよぉ〜。アタシが怒られちゃうのっ!だからバレる前にあの黒木って子を殺して欲しいのよ。分かった?」扇で私を指しながら、品を作る。




「イヤ、分かりません。なぜ私が?」



「だって、アイツに殺されたんだから恨んでいるでしょ?自分の手で仕返ししたいんじゃないの?」



「それは、そうですが…」



「アタシが仕返しを手伝ってあげるわ。しっかり学びなさいね!」



 ん〜〜?色々誤魔化された気がする…。



 この頃の私は目を開けて話を聞くだけでも体が辛く、すぐ眠ったり起きたりを繰り返していた。



「あ〜あ、また眠っちゃったわ。使えないヤツねー」



「それは、あなたがキチンと魂の定着を行わないからですぞ?今一度、身体と魂を錬成して…」



「嫌よっ、面倒くさい。一度で十分よっ!」



「ハァ〜。あなたは魔術が下手過ぎます…」



「何か言ったかしらっ?」キッと睨みつけ、女神は何処かへ行ってしまった。




◆◇◆◇◆◇



 目が覚めると、必ずじーさんが私の側にいた。



「エレナさん、お加減はいかがかの?」



「体が重いです。お腹も空いているし、喉も渇いた…」私がそう言うと、じーさんは水を飲ませてくれた。



「貢ぎ物に食べ物が有れば良いのじゃが、神は腹が減らないからの。生身の人間なのだから、このままでは餓死してしまうぞい」じーさんが私を見ながらブツブツ言っている。



「あの女神、碌でも無いわね…」ついそんな言葉を吐いてしまった。



「ですが、せっかく転生したのです。エレナさんがしたかった事、やりたかった事、あるのではないですか?」



 じーさん、いつの間に私の名を?



 そっか。あんな事が無ければ、確かにまだ生きていたかった。



 私が望んだ転生じゃないけど、やり直すチャンスを貰ったって事なのかな?



 ならば、また生きてみたいかも。



「おじーさん、お名前は?」



「ワシは見習いとしてこの神界に置いて頂いているだけなので、名は無いのです。じーさんで構いませんよ」



「分かった。これから私がんばってみるね。何か学べって言われたけど何をするの?」



「勇者討伐の為、魔法を学んで頂きます」とじーさんがにこやかに言った。



 うわっ初っぱなから無理だ。



「魔法?使ったこと無いけど?」



「だから女神様から習うのですよ」今度はニッコリ笑ってじーさんが言う。



「え〜〜?あの女神信用出来ない…」私はあのクソ女神を全く信用しなかった。



「我慢なされ。自分の為だと思って」と、じーさんに諭されてしまった。




◆◇◆◇◆◇



「この体何とかならない?サイズが縮んでいるよね?」



 大人だった自分の体を思い浮かべ、手の小ささに驚いたのだ。



 何でちっちゃくなってんの?



「それはですね、あなたの肉体は元の世界にあって、こちらに持って来れなかったのは分かりますか?」



「うん。魂だけだったから召喚に巻き込まれたんでしょ?」



「そうです。なので体はこちらで用意しました。可哀想に、3歳で亡くなった女の子の体にあなたの魂を入れたのです。お名前はアレクシア」じーさんが悲痛な顔で教えてくれた。



「3歳の女の子!?しかも亡くなった人の体なんて…なんて酷い事を…」私は又もや泣き出してしまった。



 多分、感情が3歳の体に引っ張られているように思う。



「泣かないで下され、泣かないで下され」そう言ってじーさんが、私の胸をトントン叩く。



 それをされると眠っちゃうのよね。



 程なくして私は、まんまと眠ってしまったのだった。




◆◇◆◇◆◇



 どのくらい時間が経ったのか分からないが、やっと上半身だけ起こせるようになった。



 じーさんが時々、果物をくれたおかげだと思う。



 その状態で女神に魔法を習う事になった。



「まだ立てないの?ホントグズよねっ!アンタも何やってんのよ!」キンキン喚くクソ女神。じーさんをひと睨みする。



 相変わらずド派手で下品だ。



「アタシ〜、これから上級男神様とデートなのぉ。魔力の使い方教えて上げるから、サッサと覚えなさいよっ!」



 いちいちムカつく女神である。



「じゃあ、体の中に魔力集めて、手から火や水や風や土を放出するだけよ。やってみなさい」



 教え方もド下手である。



「分かるわけないじゃん…」と、隣で心配そうに見ているじーさんと目が合ってしまう。



 クソ女神の斜め後ろに立つ若い男は、ニタニタしながら女神の下半身を見つめていた。



 はぁ〜、仕方ない。やってみるか。



 体の中心に神経を集中して何かあるか探してみると、お腹の辺りにポワッと温かい何かを感じた。



 これを手まで持って来て、火を思い浮かべた。すると直径20cmぐらいの火の玉が浮かんでいた。



「やれば出来るじゃない。かなりちっちゃいけど。それの何倍も大きいのを作らないと、あの勇者に敗けちゃうわよ!いいわねっ!」



 私に人差し指を向けて「じゃあね」と言って女神と若い男は消えた。



「えっ?これだけ?」



「本当にあの女神様は…。無責任にも程がある…」じーさんが頭を抱えていた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ