【幻風景】まだ届かぬ星々に満ちた
夜空に輝く星の光が地球に届くまで、何年、何百年、何億年とかかるという。
だとしたら地球へ届かなかった光もあるのではないか。
きっと夜空の闇とは何もない虚無ではない。あの暗黒には無数の死せる光がびっしりと詰まっている。
地球に届くことなく、途中で息絶えた、星々の怨嗟が夜空には蠢き、広がっているに違いない。
……なんて、夢のひとつも叶わないボクもまた、そうした暗い星のひとつなのだろう。
ああ、また公募に落ちた。凍えながらのコンビニ帰り。真っ白な息を吐きながら、冬の星座に嫉妬する。