第5話 2人は友達?
クラスの皆に誤解されたけど、わたしと鹿野谷さんはあくまでも......そういえば、なんだろう。
クラスメイト、部活の仲間......なのは間違ないけどなんか違う。
友達......もなんか違うと言うか、話はするけど仲がいいのかわからない。
ただ、鹿野谷さんはわたしと話すのは嬉しそうだし、今日は初めて鹿野谷さんから話しかけてきた。
ということは......友達なのかな?
正直よくわからないけど、友達と言える自信はない。
それはともかく、教室では皆にくらまれてあの後鹿野谷さんと話す機会がなかったから
部活で休みの日に一緒に走る約束をしよう。
「鹿野谷さん、教室の話だけど......」
自転車で走りながらわたしがこう言うと
「私は......下月さんの事を好きだと思う」
と言われて、思わず自転車を止めてしまった。
「何で止まるの?」
鹿野谷さんは突然止まったから、不思議そうに言うけど鹿野谷さん自身はそのまま走って行った。
こんな時も止まらないとは、流石鹿野谷さんと言った所か。
わたしは再び自転車を走らせ、鹿野谷さんに追い付く。
「好きって言うから、ちょっと驚いたかな」
「好きって言うのは変?」
「変っていうか......急に好きって言われたからちょっと驚いたかな」
「クラスメイトとして好きって意味」
「そうだよね。というか、わたしと鹿野谷さんってクラスメイト以上の関係なのかな?」
わたしがそいうと、今度は鹿野谷さんが走るのが止まったがあの鹿野谷さんが止まるとは。
「えーと、どうしたの?」
わたしは鹿野谷さんを追い越して自転車を止めて声をかけるけど
「私と下月さんは......友達といってもいいの?」
と鹿野谷さんは頬を赤くして言うけど......これっ走ったからでなく照れている。
それをみて、わたしもなんて言ったらわからないけど......友達と言えば友達かな。
少なくとも会話はするし、お互いの事を話せるしね。
「友達でいいかな?悩み事とか鹿野谷さんの事故の事とか話せるからね」
「…...うん、友達、私と下月さんは友達」
鹿野谷さんはこう言うと、再び走りだすが私を追い越す時見えた鹿野谷さん横顔の口角が上がっていた。
(あ、休みの日に走る事をまたはなしてないよ)
また別の話をして、肝心な休みの日に一緒に走る話が出来ていない。
あと、ペーサーのわたしが後ろになってどうするの。
わたしは自転車を走らせて、鹿野谷さんと並走する。
「鹿野谷さん、日曜日に一緒に走りたいけど......付き合ってくれるかな?」
「下月さんがやる気なら付き合う」
「ありがとう」
「別にいい......いつもは1人で走ってるから、下月さんと走れるなら......わ、私も嬉しい......」
鹿野谷さんはそういうと、突然走る速度を上げて1人で走っていたけど.……自転車だからすぐに追いつた。
そして、珍しく鹿野谷さんが息を切らせて、かなりペースが落ちていた。
「鹿野谷さんがいきなりダッシュなんて、珍しいね」
「月さんといる......なんか......なんでもない、気にしないで欲しい......」
「そんな風に言われると、気になるよ」
「なんでもない、私の思い込み。ペースが乱れたから、何時も通りのペースにして欲しい」
「わかったけど、日曜日はお願いね」
「わかった、だから今日は何時も通りのペースで走る」
「うん、そうするよ」
わたしは何時ものペースで走るが、さっきペースが狂ったせいか今日は他の部員が走り終わると同じぐらいで走るのをやめたが
「鹿野谷さんが珍しく、わたしたち同じで辞めたって何かあったのかな?」
「体調がわるいとか?」
「実はね、教室でね……」
「え、下月さんが鹿野谷さんに告白したの!?」
「それで、返事はどうだったの?」
「下月さんが言うには、単なる言い間違いだったそうだけど、あれは絶対告白だよ」
「なんだ、そう言うオチか」
「でも、下月さんと鹿野谷さんっていいカップルになりそうじゃない?」
同じクラスの部員が教室での事を話すけど、幸いな事に言い間違いだったとわかってくれた。
でも、わたしと鹿野谷さんはいいカップルに慣れるって言うけど......そうなのかな?
わたしは鹿野谷さんと付き合う事を思わず想像するけど......いやいや、やっぱり鹿野谷さんとわたしは合わないって。
でも......鹿野谷さんはわたしと鹿野谷さんがカップルって事を否定しなてない。
鹿野谷さんの性格から、はっきり言うと思うけど......まさか。
わたしは部活終わりに珍しく座っている鹿野谷さんを見るけど、わたしが見た事に気付いた鹿野谷さんは
顔を横に向けて目線を逸らしたけど......頬が赤くなっていた。
走り終わったからだと思うけど、もう息が整い、汗も引いているのでその頬の赤色は
別の意味だとわかったがけど、わたしは気づかない振りをした。
「下月さん、学園まで一緒に戻るけど、構わない......かな?」
何時もは1人で走って学園へ戻る鹿野谷さんが、珍しく私と一緒に戻ると言うけど
日曜日の話もしたいから、もちろん一緒に戻る。
「日曜日の話もしたいから、構わないよ」
「ありがとう……」
鹿野谷さんはまた頬を染めるけど、わたしもなんか意識をする。
教室の事があったけど、鹿野谷さんは特に何も言わない。
でも、何時もと違う様子なのはわかる。
まさか鹿野谷さんの好きって……いやいや、鹿野谷さんがそんな事......ないよね?
わたしは頭の中がよくわからなくなるが
「下月さん、聞いてる?」
と鹿野谷さんの声が聞こえたが、それと同時に鹿野谷さんの顔が目の前にあって少し驚いた。
「驚かなくてもいいのに」
「急に鹿野谷さんの顔が目の前にあったから」
「話してるのに、下月さんが上の空だから様子を見ただけ」
「ごめん、ちょっと他の事を考えてた」
「他の事?」
「ああ、気にしなくてもいいよ、こっちの事だから」
「そう、日曜日は9時に学園の門の前で待ってる」
「9時集合ね、わかったけ」
「日曜日を楽しみにしてる......」
鹿野谷さんがそう言って、何時ものように走って学園へ戻って行った。
そして、鹿野谷さんが微笑んだ......ように見えたけど、微笑でも鹿野谷さんが笑ったの初めて見たかも。