表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
共に走る  作者: しいず


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/20

第20話 みなほのケガ その2

前回からの続きです。


陸上部顧問の先生がみなほのケガの処置をします。

顧問の先生は、陸上部部員にみなほを押さえさせますが、

傷口を洗う水や消毒、傷着の小石などを取りのぞくとこ、みなほは痛みで声を上げます。

陸上部の女の子が顧問の先生を呼んで来てくれたけど、待っている間の桜琳は


「みなほ、大丈夫?歩けるよね?」


と何度も聞いてきた。

穿いていたロングパンツが破れて、転んだ時にできた擦り傷になっている。

また、自転車が足の上に載り、何かがぶつかったらしく、血が出てはいる。

だけど、脚は動くし、骨も折れてないと思う。


「大丈夫だよ。心配するのはわかるけど、これぐらいなら問題ないよ」


と笑って、桜琳の手を握ってあげた。


「みなほも……私みたくなって欲しくないから……」


桜琳は涙目になってこう言うけど、事故による足のトラウマがあるから仕方ないか。


 わたしが桜琳に


「桜琳は事故のことがあったから、心配する気持ちもわかるよ。

でも、桜琳の事故と比べたら、大したことないし、わたしの足は太いから骨まで折れないよ」


と涙目になってる桜琳の手をぎゅっと握ってあげた。


 すると、陸上部の子たちと顧問の先生が救急箱を持って慌ててやって来た。

しかし、わたしと桜琳の様子を見ると


「なんだ、イチャイチャしてるなら、心配しなくても良かったか」


と顧問の先生がニヤニヤしながら言うのだった。


「こ、これは、桜琳がパニックになったから、落ち着かせるためなので……」


とこの状況を説明した。


「普通は転んだ方を落ち着かせるが、鹿野谷らしい。で、下月の怪我の具合を見るぞ」


顧問の先生は、ロングパンツを脱がせてわたしのケガの具合を見る。

脱ぐ時は傷が痛かったけど、我慢できるぐらい。


 ケガは擦り傷と自転車がぶつかった切り傷があるが、傷以外の部分の痛みはない。

立ち上がって、少し歩いたけど、足首は転んだ時にペダルストラップのせいで、少しひねったかもしれない。

でも、足首は動くし、動かした時に激しい痛みはない。


「ひとまず、病院に行くほどじゃないか。傷も、ロングパンツを穿いてたから、そこまでじゃないか。

ただ、汚れがついてるから、洗い流すぞ。ペットボトルの水を貸してくれ」


顧問の先生がこう言うと、陸上部の子が水の入ったペットボトルを手渡す。

顧問の先生は、ペットボトルを空けると


「しみるが我慢するんだぞ」


と言って、傷に水をかけるが、言ったとおりとてもしみる。


「う~、しみます……」


先生が言ったとおり、水が傷口にしみる。


「しみるといったからな。あと、小石がくっついてるし、砂も流すだけじゃ、落ちないから我慢するんだぞ」


先生はそう言って、また別の陸上部の子から、手袋を受け取るとそれを手にはめる。

そして、ガーゼを取り出すと


「痛いが、我慢するんだぞ。綺麗にしないとだめだからな」


と言って、ガーゼ越しに、砂と小石を取り始める。


「うぎゃあああ!」


わたしは女の子らしくない声を上げる。


「だから、痛いと言っただろ。見てるのは、下月が暴れないように、押さえててくれないか」


顧問の先生がこう言うと、陸上部員たちがわたしの身体と足を押さえる。

そして、顧問の先生は容赦なく、傷の汚れを落とし、水で洗っていく。


「痛い、痛いです!」


わたしは暴れるが、陸上部員たちにしっかりと押さえられている。

顧問の先生は、これを見越してわたしを押さえたと理解した。


「自転車乗りなら、これぐらいの怪我は何度もするだろ。

わたしの友人も、よく怪我をしてたぞ」


顧問の先生はそう言って、手際よく傷口を綺麗にしていく。

そして、汚れたガーゼはポリ袋に入れていく。


「よし、終わったぞ。次は消毒だな」


洗浄が終わると、今度は消毒をする。

消毒液を脱脂綿につけると、それを傷口に当てる。


「ぎゃあああ!!」


わたしはまた声を上げるが、消毒は水以上にしみる。


「まったく、女子らしくない声を出すなよ」


顧問の先生は呆れてるけど、傷の範囲も広いからそれだけ痛い。


「しみるものはしみるんです!」


わたしは言い返すが、先生は容赦しない。

その後何度か、声を上げたけど、傷口の消毒も終わり、ガーゼと包帯を巻いて処置が終わった。


「下月、終わったぞ。とりあえず、傷だけのようだが、あとから痛みが出るかもしれないから、その時はちゃんと病院へ行けよ」


先生はこう言うけど、直後は大丈夫だけど、あとから痛みが酷くなって骨が折れてたということもあるらしい。


「わかりました。今のところは、家に帰れそうです」


わたしは立ち上がり、倒れた自転車を起こす。


「下月、今日はもう帰っていいぞ。自転車も壊れてないか、確かめておけよ」


顧問の先生はこう言うので、自転車を調べる。

自転車はハンドルグリップやフレーム、ペダルに傷がついているが、壊れてはいないかな。

ハンドルグリップやペダルは定期的に交換するけど、フレームは壊れると高いとお父さんが言ってな。

だから、あまり転ぶなって言われたけど、お父さんはよく転んでたな。


「傷はついていますが、多分大丈夫です。

家に予備がありますし、ハンドルグリップやペダルは定期的に交換するので大丈夫です」


とわたしは答える。


「そうか。傷はしばらく傷むが、若いから治りは早いだろ。

鹿野谷~学園まで彼女に付き添ってやれよ~」


顧問の先生がこう言うと、黙って様子を見ていた桜琳は顔を赤くする。


「わかりました……」


桜琳はこう答えると、わたしの手を握る。


「他は練習の続きをしとけよ。それじゃ、2人ともお幸せに……じゃなかった、気を付けて帰れよ」


顧問の先生は思わず本音を言うが、もうわたしと桜琳は教師公認になっていた。


「みなほ……行こう……」


桜琳はかなり落ち着きを戻している。


「そうだね。心配させてごめんね」


わたしは桜琳に謝る。


「みなほが無事ならそれでいい。でも……何かあったら病院に行った方がいい、早いとちゃんと治るから」


と言って、わたしの手をさらに強く握る。


「わかった、そうする。それじゃ、戻ろう」


「うん……」


わたしと桜琳は手を繋ぐけど、手を繋いだままだと自転車を引けない。

だから、お互い残念そうに手を離して、学園に戻り着替えを済ませる。

そして、桜琳に学園の門まで見送られると、ママチャリを引きながら帰宅したのだった。

お読みいただきありがとうございます。


擦り傷と切り傷で、骨までは言っていません。

しかし、傷口の消毒や洗浄がしみたり、痛かったりで、みなほは叫び声をあげます。

これを見越して、顧問の先生も陸上部員にみなほを押さえてます。


桜琳はおろおろしていますが、自分と重ねてみなほの足を心配しています。


ツイッター

@shiizu17

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ