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共に走る  作者: しいず
18/18

第18話 クラスメイトは告白の事を知っている

みなほは家に帰ると、桜琳の事を思い出しベッドでばたばたします。

そして翌日、教室に行くとクラスの子に囲まれます。

わたしは家に帰ると、真っ先に行くキッチンでなく、

今日はそのまま自分の部屋へと駆け込んで、ベッドに飛び込んだ。


「ああ~もう~」


わたしはベッドの上で足をバタバタさせ、枕に顔を押し当てる。

そして、桜琳の事を思い出すと、顔が熱くなり、鼓動が速くなる。


 だって、だって、無口な桜琳が早口で、わたしの事を好きって言ったんだよ!

しかも、LOVEな意味で好きって言ったから、もう告白だよ、あれは。

ただ、わたしは曖昧な返事をしてしまった。


 本当の事を言えば、わたしだって桜琳をLOVEの意味で好きになってると思う。

思ってるけど、桜琳と恋人として付き合うなると……そこまではと思ってしまう。

周りはわたしと桜琳が付き合ってると思ってるから、わたしと桜琳が

恋人として、付き合ってもおかしな事じゃないんだけど。

でも、あと一歩踏み出せない。


 桜琳はすぐに答えを出さなくても言ってたけど、答えを出さないと

きっとこのままずるずると、時間だけが過ぎていくと思う。

だから、わたしは明日とは言わず、早く答えを出したい。


「桜琳、かわいかったな……」


わたしは桜琳の顔を思い出して、ニヤニヤする。

そして、つないだ手の暖かさと感触は、まだ手に残っている。

わたしはあれこれ考えてるけど、桜琳の事が好き……。

わたしは桜琳の事を想うと、身体が熱くなるのだった。


 翌日、いつも通りに学校へ行く。

昨日は桜琳の事考え、あれこれ悩んだが、ご飯は何時も通りの量を食べた。

悩み事があると、食事が喉を通らないって言うけど、わたしはそんな事は無かった。


 わたしが教室に行くと、わたしを見つけたクラスの子たちがわたしの周りに集まる。


「下月さん、鹿野谷さんの告白されたって本当?」


と質問さるけど


「したと言えばしたけど、違うと言えば違うかな」


と答えた。


「一体どっちなの?」

「みなほは何時もこんな感じで答えるよね」

「というか、2人は付き合ってるんじゃなかったの?」

「きっと、流れで付き合って、告白をしてなかったんだよ」 


周りの子たちは仲がいい子たちだけど、好き勝手言っている。

わたしは苦笑いするが、あれは告白でいいのかな。

あくまでも、好きか嫌いかを聞いただけだし。


「桜琳に好きか嫌いかを聞いただけから、告白じゃないかな」


わたしがこう答えると


「鹿野谷さんのどうだったの?」


とクラスで(桜琳以外で)一番仲が良い子が聞く。


「LOVEの意味で好きって言ったよ」


わたしが答えると


「それって、告白じゃない?」


と言う。


「そうかな?」

「そうだよ、あの鹿野谷さんがLOVEって言ったんだよ」


確かし、あの桜琳からLOVEと言う言葉が出てきたんだから、そうかもしれない。

それに、わたしと一緒に居たいとも言ったたな。


「確かにそうか。そうれに、わたしと一緒に居たいと言ってたかな」


わたしがこう言うと、わたしを囲んでるみんなが「きゃー!」と歓喜の声をあげた。


「もう、完全に告白だよ」

「だよね……」

「で、みなほの答えは……きっと曖昧だったんでしょ」


一番仲のいい子は、まるでその場で見ていたように言う。


「何で分かったの?見てたの?」


わたしがこう言うと


「そんな訳ないって。だって、みなほが付き合ってたら、はっきり付き合うというでしょ」


とニヤニヤしながら答えたけど、わたしが桜琳と付き合っていない事を知っててか、らかってたみたい。

あと、あの場にはわたしと桜琳しかいなかったけど、なんで告白した事を知ってるのかな?


「確かにそうだけど……。それより、なんでわたしが桜琳に告白した事を知ってるの?」


わたしが聞くと


「陸上部の子が、2人がいい感じで告白してたと言ってたよ」


と答えた。

わたしと桜琳はいつもどおりに、早めに集合場所に居たけど

もしかして他の陸上部員が居た事に気付いてなかった!?

そして、陸上部員と仲が良く、朝の登校の時に聞いたそうだ。


「え~と、わたしと桜琳だけだった気がするけど」

「その子は少し後から来たそうだけど、2人がいい感じになってて

気を使って物陰で木2人が話してる事を聞いてたそうだよ」


 そうだったんだ……。

だから、桜琳の告白の事を知ってたんだ。


「あと、陸上部の顧問も、いい感じだから2人きりにしておけって言ったんだってよ」


陸上部の顧問の先生も、一緒に聞いてたんだ……。

だから、イチャイチャするなよって言ってたんだ。


「もしかして、陸上部の皆に聞かれてってこと!?」

「そうなうんじゃない?わたしは聞いただけだから」


そういって、笑うけど……わたしは顔が真っ赤になる。


「みなほ、顔が真っ赤だよ」

「下月さんは、面白いですね」


わたしを囲んでる子たちは、そう言って笑うけど、わたしは恥ずかしさのあまり顔を隠す。


「まぁ、まぁ、みなほと鹿野谷さんが付き合ってても、みんな歓迎するし、2人はお似合いだよ」

「そうですね。それに、先程より鹿野谷さんがこちらを見ていますから、わたしたちはお邪魔ですね」

「そうだね。授業が始まるまで、2人で楽しんでね~」


そう言って、わたしを囲でいた子たちは席へと戻って行った。

そして、わたしは顔をあげて、桜琳の方を見ると……桜琳の顔も赤く染まっていたのだった。

お読みいただきありがとうございます。


2人の様子は他の陸上部員にと顧問に見られており

陸上部員とクラスの子が仲が良い事もあって、すぐにクラスに広まりました。

みなほも、告白がクラスの皆に広まったので、ほぼ逃げられない状態になりましたが

みなほも早く答えを出すつもりではあります。



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@shiizu17

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