第17話 2人の好き
放課後の部活の時間になったが、桜琳は早く走りたいが顧問と他の部員がまだ来ないので仕方なく待ちます。
2人で話しますが、みなほは桜琳に自分が好きか尋ねます。
わたしと桜琳が付き合っている噂が広がっているけど、今はとにかく部活へ。
桜琳はあれから走って行ってしまったけど、自転車部と陸上部の部室は違うので一緒に行っても別れてはいたけど。
わたしは部室に自転車を取りに行き、部活の集合場所へと行く
「みなほ、来るのが遅い」
と桜琳が言ったけど、まだ陸上部の部員も全員来てないし、顧問の先生もきてないから桜琳が早すぎるんだよ。
「他の部員も顧問の先生も来ていないから、桜琳が早いだけだよ」
「そうともいう」
「じゃなくて、そうだって」
桜琳は走りたくてうずうじしてるけど、早く来ても顧問の先生が来ないと部活は始まらない。
ただ、学園の外の道なので勝手に走ってはいけないと、先生に言われている。
だから、桜琳も本当は今すぐ走りたいが、以前の事故の事もあってが桜琳も我慢している。
「桜琳は走るのが好きだね」
わたしは自転車を支えながら座って桜琳にこう言うと
「私は走る事だけかが生きるためだから......」
と言うけど、大袈裟だな。
「それはお憂げさだよ」
「そんな事ない。私は走るれないと生きていけない」
「そんなに走るのが好きなんだ」
「好き。だから、事故で走れなくなる事だけが怖かった。だから、今こうして走れるのはとてもうれしい」
「そうなんだ」
桜琳は事故の事を思い出したのか、あまり変わらない表情でも暗くなっている事がわかる。
桜琳としては事故の事や足の事は話はしたくない。
背が高くすらっとした体型で、私としては憧れの体型。
足も細いけど、事故の傷が残っているらしく絶対に他人には見せない。
「桜琳の足ってどうなってるの?いや、見せなくてもいいよ」
わたしは気になってこういうが、桜琳には見せなくても良いという。
「足は......みなほでも......まだ見せられない......」
「そうだよね、わかってたけどごめん」
「別にいい。みなほなら......許せる......」
「そうか......」
「でも、みなほ以外に見せるなら、その場で舌を噛みちぎる」
桜琳は怖い事を言うけど、それだけ足を見せたくないんだ。
ただ、わたしにはまだ見せられないという事は......そのうちに見せてくれるのかな。
走れなくなるほどの事故の傷だから、見ても気持ちのいいものではいだろうけど
桜琳が足を見せてくれるという事は......わたしを好きだからかな。
「ねえ……桜琳......わたしの事好き?」
「みなほは好き」
「そうなんだ。でも、その隙はLikeなのかLoveなのか教えてほしいかも」
「......」
桜琳は黙って考えるけど、桜琳はわたしといる時は意外は黙っているからむしろこっちが普通かな。
でも、桜琳の頬が少し桜色に染まり
「……私もよくわからない、ただ子の好きはきっとLoveの方かもしれない......」
と答えたのだった。
「そ、そうなんだ」
わたしは思いがけない答えに戸惑うけど、わたしの頬も桜琳の様に染まっていく。
「な、なんか恥ずかしい......」
「わ、わたしもかな......」
お互い恥ずかしく、思わず横を向いてしまったけど、心臓の鼓動は早くなっている。
桜琳の表情も照れてる……と思うけど、以前より桜琳の表情は読めるようになってきたがそれでも桜琳の表情の変化は小さい。
でも、桜色に染まった頬がさらに濃い色になっている。
「私の気持ちはいったから……みなほの気持ちも教えて欲しい……」
桜琳は横を向きながらこう言うけど、わたしは自分の気持ちを言うのを躊躇する。
桜琳の事はわたしも好きと言えるけど……桜琳と同じ好きなのか自分でもわからない。
でも、クラスの中……いや、学園の中で一番したいし関係かもしれない。
桜琳は性格から友達がいないけど、そんな桜琳はわたしを友達と思っている。
わたしも友達と思っているし、桜琳もコミュニケーションが苦手なだけで話が出来ないだけ。
わたしには事故の事を話してくれたし、わたしの言う事は聞いてくれる。
それに話すのが苦手な桜琳がわたしに気持ちを言ってくれた。
だからわたしのその気持ちに応えないと......と思うけど、その答えが口から出ない。
「わたしの気持ちは……桜琳と一緒かもしれないけど、自分でもわからない。
桜琳の気持ち自体は嬉しいけど、今のわたしにはその気持ちに応えれない……かも」
わたしはどっちつかずの返事をするけど桜琳は
「それでも、私はみなほが好き。私は人どうやって話せばよいかわからない。
でも、みなほなら自分の思ってる事が言える……。私の一方的な気持ちであっても、みなほと一緒に居たい……」
口下手の桜琳が珍しく早口で話すけど、こんな桜琳を見てわたしは
「く、く、く……はははははー」
と思わず笑ってしまった。
「なんかおかしいな事、言ったのかな?」
笑ったわたしを見て、桜琳は自分がおかしな事を言ってしまったと思い首をかしげている。
「ち、違うよ。おかしいのはわたしだよ。桜琳が珍しく早口でしゃべったから思わず笑っちゃたよ」
わたしがこう言うと
「そうなんだ……」
と言うけど、顔は見えないがちらっと見える耳が赤くなっている。
「桜琳もこんな話方をするんだ。でも、これで桜琳の気持ちがわかったよ」
「そう……」
「でも、わたしは今すぐ桜琳の気持ちに応えられないよ」
「今すぐに答えをださなくてもいい、ただ私の気持ちを知って欲しかっただけ」
「うん、わかった。今すぐ桜琳の気持ちに応えられないけど、桜琳が嫌いじゃなくて好きだからって事は覚えておいて」
「わかった」
思わぬ形での桜琳の告白……って言ったんだろけど、わたしはすぐには応えられない。
わたしの中では……桜琳の事は好きというのは間違ない。
本音を言うと……わたいの好きもきっと桜琳おと同じだと思う。
でも、それを言うのはまだ早いというより、わたしの整理がついてないだけ。
それに桜琳なら待ってくれると思うし、答えを急がないと思う。
だから、少しだけ考えて桜琳にわたしの好きを伝える事する。
「おー、今日も2人は早いな」
わたしと桜琳の話が終わる頃、陸上部の顧問の先生がやって来た。
「桜琳、先生が来たから走る準備をしようか」
「わかった。みなほ……私はみなほと走れるなら……答えは急がないから」
「うん……」
わたしは小さくなづか、それをみた顧問の先生は
「2人共顔がなんか赤いな。あまり人通りかないからってイチャつくのはいいが、程度はわきまえろよ」
とニヤニヤしながわたしと桜琳に言うと、わたしは
「わかっていますよ。ね、桜琳」
「うん、わかってる」
というと、桜琳はわたしの手を握ったのだった。
お読みいただきありがとうございます。
実質告白みたくなりましたが、みなほははっきりしません。
外堀も埋まられ観念した訳でもないですが、本心は桜琳の事を恋愛的に好きになってはいます。
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@shiizu17