第15話 雨の日の桜琳 その2
前回からの続きです。
雨は放課後になるとさらに強くなり、外は明るい時間なのに暗く雨音もすごい状態。
雨の様子を心配しながら桜琳と話しると、帰ろうとしたクラスの子たちが戻って来て
その話から買えるに帰れない状態と知るのだった
放課後、雨が強いため部活が休みなので桜琳の走る事が出来ず、相変わらずため息をついていた。
「ため息を付いても、この雨じゃ部活が休みなのは仕方がないよ」
「雨でも体育館とかでもできるのに……」
「わたしに言ってもどうにもならないよ。それより、この雨で帰れるかなぁ」
昼を過ぎた頃から雨の降りはさらに強くなり、授業が終わったもののまだ明るい時間なのに外は暗く
そして雨で全く見なくてて雨音もすごくしている。
「この雨だと、帰れないかもしれない」
「そうだね、やむまでは帰れにないけど雨がやんでも道路がどうなってるかなぁ。桜琳は寮だったよね、近くていいよね」
「でも、近すぎて走れない」
「近くても桜琳なら走って帰るよね?」
「もちろん、走る。歩く意味はない」
「そ、そうだよね」
近くて走らないと言いつつも、ちゃんと走って帰るというのが桜琳らしい。
でも、学園の敷地内にある寮に帰るのも無理なほど雨がすごい。
そして、桜琳と話してたらクラスの子2人が教室に戻ってきたけど、1人はびしょぬれになって
「1階行ったはいいけど、外は雨が凄いし水が溜まって出るに出れなかったなぁ」
「わたしは試しにちょっと外に出たけど、あっという間に制服が濡れるし、足元は足首ぐらいまでの深さがあって靴下もびしょびしょだよ……」
「もう、やめときなって言ったじゃない」
「だって、気になったから仕方じゃないじゃん。あと、動画と写真も撮ったから」
「なにしてるのよ、もう」
「流石に学園内からからSNSにあげなかったよ」
「当り前だよ、学園の生徒ってバレるからね。ほら、タオル貸すから拭きなよ」
「ありがと」
教室に戻って来たクラスの子2人の話から、雨で大変な事になってるぽい。
家の辺りは川とかがないし、学園より高い方で水は大丈夫だと思うけどこの雨だと心配だな。
「学園よりは高い場所だけど家も心配だなぁ」
「ここより高い場所なら大丈夫だと思う」
「そうだけど、この雨だからね、それに帰れるかなぁ」
「だから雨なんて降らなくてもいいのに」
「降らないのも困るけど、これは降りすぎだよね……」
わたしもため息が出るけど、スマホで交通情報を調べると鉄道は運転見合わせになり
道路もあっちこっちで渋滞していて、バスも運転見合わせになってるらしい。
だから帰るとなると、歩きか親に迎えに来てもらうかだけど、これじゃ迎えに来てもらうのも無理だし
親もまだ仕事中でどちらにしても迎えに来てもらうは無理。
歩いて帰るにしても1時間はかかる上に、筋肉痛で今日1日は教室の移動も階段の昇り降りもきつかったから
歩いて帰るったら一体どれぐらいかかるかわからない。
だから雨が止むのを待って、バスの運行が再開するか親に迎えに来てもらうしかないかな。
「これじゃ、帰るに帰れないなぁ。筋肉痛も辛いのに……」
「みなほも歩くの大変そうだった」
「もって事も桜琳もなの?」
「休み時間に言ったけど、雨の日は痛いと感じるから歩きにくい」
「そう言ってたね。でも、走るのは平気なの?」
「走ると痛みを感じなくなる」
「そうなんだ。痛くないのに痛く感じるって言ったけど、精神的な面もあるかもね」
「多分、それもある。走れば何ともないのに、雨の日は走れないから足が痛くなる……だから嫌い……」
桜琳が雨の日が嫌いなのは、単に走れないだけでなく走る事によって痛みを感じなくなるからみたい。
「今も痛いの?」
「何となく痛いだけ」
「そうなんだ。それじゃ、少し走って痛みを忘れようよ」
「どこを走るの?」
「廊下でいいよ。人がいないから」
「でも、みなほは廊下を走るなと言ってた。みなほは一体どっちなのかわからない」
「廊下は走っちゃダメだけど、桜琳が痛みが無くなるなら走ってもいいなかって。それに、今は廊下に誰もいないからね」
「それなら少し走ってみる」
「わたしは筋肉痛だから、走らないけどね」
「私が走れれば問題ない」
桜琳はそう言うと、教室を出て少し準備体操をすると廊下を走りだす。
桜琳は長距離タイプだから普段はダッシュをしないけど、走れなかったせいかダッシュをする。
そして、廊下の曲がり角曲がり姿が見えなくなた。
学園の建物は日の字の様になってて、中等部の教室と高等部の教室が廊下を挟んで向かい合っている。
だから1つのフロアを廊下で周回できるようになっているけど、桜琳は廊下を周回するみたいだけど
わたしは筋肉痛なので教室の前で待ってるけどね。
「こら、鹿野谷。廊下は走るなっていつも言ってるだろ!」
しばらくすると先生の声が日々たけど、先生に見つかったみたい。
でも、先生に何度も注意されても桜琳は注意されも構わなず走るけどね。
そして、再び桜琳の姿が見えたけど、ほとんど笑わない桜琳が微笑みながら走って来て、わたしの前で足を止めた。
「お帰り、桜琳」
「はぁ……はぁ……ただいま……みなほ……」
「先生に注意されたよね」
「いつもの事だから、構わない」
桜琳は構わないって言うけど、先生としたら構うと思うけど。
もっとも殆どの先生は諦めて注意しないけど、それでも一部の先生はまだまだ注意する。
それに注意もと言っても、他の生徒の手前とりえあず注意しておくって感じぽいけど。
「痛みはどうなの?」
「走ったら痛みは無くなった、みなほ、ありがとう」
「お礼される事はしてないって」
「でも、みなほは廊下を走れって言ってくれた」
「今日だけだからね。でも、桜琳はいつも廊下を走ってるか」
わたしがダメと言っても、結局は桜琳は常に廊下を走ってる。
「いつもは静かに走ってるから大丈夫」
「桜琳は静かに走るって言うけど、静かに走るって普通に走るとどう違うの?」
桜琳は静かに走るというけど、走るのにうるさいや静かってあるのかわたしにはわからないから来てみた。
「フォームが全然違う。いつもはこう腕を大きく降って走るけど、静かに走る時は腕の振りは小さい。あと歩幅も全然違う」
桜琳はその場で腕の振りの違いや歩幅の違いを動きを見せてわたしに教えてくれた。
「つまり、小走りって事?」
「小走りとは違う。腕の振りは何時もの40%ぐらい、歩幅は75%ぐらい。小走りは腕の振りも歩幅も10%ほど」
「な、なるほど」
具体的な数値を桜琳は言うけど、実際に動きで見せてくれたから違いは分かったけど。
あと、今日は珍しく桜琳がダッシュをしたのでそれも効いたみた。
「さっきは珍しくダッシュをしてたけど、どう見ても静かに走ってなかったよね」
「嬉しくてつい……ただ、それだけ」
桜琳はそう言って照れるけど、照れると頬を染めて下を向いくのがかわいいな。
「桜琳が嬉しがってるなんて珍しいね」
「私も……嬉しい時は嬉しい……」
「それもそうか……はははは」
わたしも思わず笑ったけど、桜琳はなんで笑ったか首をかしげてる。
でも、わたしが笑うって事は楽しいというか、嬉しいと思ったのか桜琳もちょっと微笑んだ。
「下月さん、鹿野谷さん、楽しそうだけどなにしてたの?」
クラスの子が聞いて来たので、桜琳が走ってた事を話した。
「鹿野谷さんは走るのが好きだけど、先生に見つからないようにしないとね」
「見つかったけど、走ってたから大丈夫」
「それって大丈夫なの?」
「先生も諦めてる、だから大丈夫」
「そ、そうなんだ……」
クラスの子は苦笑いをするけど
「それより、雨はやんだみたいだから、2人もそろそろ帰る帰る準部をしたら?わたしは2人のお邪魔になるから先に行くけどね」
「そうなんだ、ありがとう。それじゃ、また明日」
「うん、また明日ね。あと、お幸せに~」
クラスの子はそう言って帰って行ったけど……わたしと桜琳が付き合ってるって思われるてるのかな。
まだ告白をしてない……いや、告白はしないけど、桜琳は友達で付き合う訳じゃ……ないよね?
ああ、もう、変な事を言われたから、わたしもよくわからないよ。
「お幸せってなんでなの?」
桜琳がまた首をかしげるけど、わたしと桜琳が恋人として付き合ってると思われるというと教えると
「……そうなんだ」
と言って、桜琳は頬を染めてそのまま何も言わないけど、この反応をどう見たらいいのかな。
もしかしたら、桜琳はわたしと恋人になりたいって事なのかな?
いやいや、桜琳がそんな事……考えてないよね?
恋愛がわからない桜琳がそんな事感がてないと思うけど、わたしは
「桜琳、わたしと恋人になりたい?」
と聞いてみたら
「……みなほなら……なってもいい……」
と言ったのだった。
「え~と、もしもの話だから本当になるって事じゃないからね」
わたしは桜琳の意外な答えを聞いて、こういうけど
「私は……もしもでなくても……構わない……」
と言って、顔を真っ赤にしているけど、これをみてわたしも顔が赤くなった。
「なんか、クラスの子があんな事を言うから、変な事を言ってごめんね」
「私は別に構わない。みなほは私とは嫌なの?」
桜琳がこう聞いて来たけどわたしは
「嫌じゃないよ」
と答えたら、桜琳は
「ありがとう……」
とつぶやくと、顔を真っ赤にしたまま桜琳は廊下を走りだけど……桜琳って恥ずかしがると走りだすのかな。
でも、桜琳らしいけどね……。
ただ、走り出したら素すぐに
「鹿野谷!また走ってる!走るのを辞めないと職員室に来てもらうぞ!」
と言う声したと思ったら、とぼとぼと残念そうに桜琳はこちらに引き返してきたのだった。
お読みいただきありがとうございます。
普段は桜琳に廊下を走らないようにと言ってるみなほでありますが
今回ばかりは痛みを感じなくするために、走ればといいました。
もっとも、みなほが言っても桜琳は常に走ってはいますが。
あと、静かに走る時の走り方も説明はしましたが、通じますかね。
先生も桜琳が静かに走る事は諦めていますが、まだまだ注意する先生はいます。
星花プロジェクトには先生のキャラもいますが、注意した先生は特定のキャラではないです。
流石に2回目の注意は桜琳も諦めて戻ってきましたが、注意はみなほで見えている場所でされたためです。
今回、2人が付き合うかどうかの話になりましたが、そろそろ2人をくっつける頃ですかね。
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