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共に走る  作者: しいず
14/18

第14話 雨の日の桜琳 その1

月曜日は朝から雨です。

みなほは筋肉痛でつらいですが、桜琳は雨で走れないのでみなほ以上に暗い顔をしています。

月曜日の朝起きたら見事に筋肉痛になっていた。

部活で走っているとはいえ、1日で部活の数倍の距離を走ったから筋肉痛になったみたい。

そして、外は雨だったけど昨日は天気が良かったのに、寝ている間に雨になったみたいけど結構な降り。

ちょっとの雨ならばレインウェアを着て学校に行くけど、これでは自転車で行くの無理。

なので、今日はバスで学園へと行くけど歩くのもつらい。

学園の階段もやっと昇って教室に行くと、わたし以上に憂鬱な顔をしている桜琳がいた。


「おはよう、桜琳」


桜琳に挨拶をすると小さな声で「みなほ、おはよう……」というけど、名前を呼ぶ以外は何時も通りではあるけど。


「雨の日は何時もこうだよね、桜琳」


桜琳が元気がないのは、雨で走れないからでこれはわたしだけでなくクラスの皆もわかっている。


「何で雨なんて降るのかわからない……」

「桜琳の気持ちはわかるけど、雨が降らないと水不足とかで大変だから」

「でも、この辺りは湧水が多いから、水不足の問題はない」

「そうだけど、それも山に雨や雪が降るからだから、結局は雨や雪が降らないとだめだって」

「それなら山にだけ降ればいい」

「そうはいっても、これは自然だからどうにもならないって」

「わかってるけど、わからない」


桜琳は雨は嫌いだけど、さらに小さい声で


「あと……雨の日は足が痛くなる感覚があって嫌……」


とつぶやいた。


「今も足が痛むの?」


わたしが聞くと


「実際に痛くはないと思う……でも、痛みがあるように感じる」


と答えた。


「そうなんだ。天気が悪いと傷が痛んだり、頭痛とか体調が悪くなる事って聞いた事はあるけどそれなのかな?」

「似たようなものだと思う。ただ、思い込みで痛みが出てと、お医者さんにも言われてる」

「そうなんだ。走れるって事は足自体はいいんだよね?」

「それは大丈夫……。でも......綺麗にはなってない……」


桜琳はそう言って俯くけど、足を絶対に見せないって事は怪我の跡があるんだ。


「そうなんだ、なんかごめん」

「みなほが謝る事はなくていい、昔の事故だから。それより、雨で走れない方が嫌」


桜琳はそう言って、恨めしそうに窓をの方見る。


「雨は仕方ないでよ」

「でも、雨は嫌い……」


そう言って、桜琳はため息をついたけど、チャイムが鳴ったからわたしは自分の席へ戻ったけど

筋肉痛の足では自分の席へ行くのも一苦労だった。


 放課後、今日は雨だから自転車部は昼休みに事を部長から伝えられたが、陸上部も休みなので

桜琳は暗い顔......といっても、何時もとあまり変わらないが、筋肉痛の私よりもさらに重い足取りでわたしと廊下を歩いていた。


「何度も言うけど、雨は仕方ないかよ」

「本当は廊下を走りたい。でも、みなほがいるから我慢してる」

「廊下は走っちゃダメだよ」

「大丈夫、ゆっくりはしるから」

「それもダメだって」

「だから、みなほがいるから我慢してる」


桜琳はそう言って走るのを我慢してるけど、わたしがいるから我慢してくれるのは嬉しいかも。

桜琳とは仲が良くなったけど、走る事が我慢できるほどわたしの事が好きって事かも。


「桜琳はわたしの事を好きだよね」

「好きと嫌いなら、好き」

「それはわかってるけど、もちろん友達としてだよね」

「……多分、友達として好き。他の意味は……多分と思う……」


桜琳にしては曖昧な言い方をするけど、他の意味って……。

ただ、桜琳は友達として好きとは別な好きがあるような感じはする。

桜琳ははっきり言うタイプだから、もしそっちの意味の好きならばはっきり言うと思うけど

その桜琳がこんな言い方をするって事は、自分でもわからないって事かな。

桜琳は恋愛に疎いというか、わからないタイプだとは思うけど、わたしも恋愛はよくわからない。

でも、わたしは桜琳から恋愛としての好きを何となく感じてはいる。


「そうなんだ。ところで桜琳は恋愛に興味がある?」


わたしが聞くと


「恋愛はわからない。好きはなんとなくわかっても、恋愛との違いがわからない」


と答えたけど、思ったとおりだった。


「そうなんだ。わたしも恋愛はよくわからないけど、好きって気持ちはわかるかな」

「みなほは好きな人はいる?」

「恋愛的な意味ではいないけど、好きな人はたくさんいるよ」

「沢山?」

「家族、友達としてね。もちろん、桜琳もだよ」

「ありががとう......」


桜琳はお礼を言うと、頬が赤くなっていく。


「桜琳、顔が赤いよ」


わたしが言うと桜琳は


「みなほに好きって言うとなんか恥ずかしい、それに……顔を見られたない……」


と言って廊下を走りだしたが、すぐに先生に見つかり注意されるととぼとぼとわたしの元に戻って来た。

お読みいただきありがとうございます。


桜琳は雨の日が走れないので嫌いですが、傷の事もあります。

痛みがあるように感じていますが、実際に痛いかは桜琳本人もわかりません。


桜琳は恋愛に関しては疎いというか、わからないですかね。

恋愛を考えるタイプでもありませんが、みなほも恋愛に関してはよくわからないですが

桜琳から自分を好きだという感じてはいます。


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@shiizu17

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