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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
というわけで
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第97話


 「今日からバシバシいくで!」



 俺たちは皆ポカンとしてた。


 部室に掲げられた1枚の横断幕。


 でかでかと書き出された文字。


 野球部なら、その「文字」は目を疑うほどにインパクト大だった。


 高校野球に携わる人間なら、一度は考えたことがある言葉。


 それは、掲げるべき“目標”でもあった。


 真面目に頑張ろうと思うなら、尚更。



 『目指せ 甲子園』



 だが、それがいかに場違いな「文字」であるかを、全員が理解してた。


 昔は考えてさ。


 甲子園に行ける高校に入って、いつか甲子園に行ってやるんだって。


 この前女と話したように、千冬の代わりに、あの舞台に立とうと思ってた。


 でも今は違う。


 なんのために野球部を立ち上げたと思ってる?


 なんで、皆と楽しんでるかわかるか?


 「甲子園」なんて行けるわけないじゃないか。


 目指せるはずもないし、目指そうとも思ってない。


 それなのに女は、当たり前のように「甲子園」という言葉を使う。


 そりゃ目指せるもんなら目指したい。


 将来的には公式戦にだって出たいし、どうせやるなら、1勝や2勝はしたいだろう。


 だけど「甲子園」となると話が変わる。


 まともな野球経験者がいないこの部じゃ、どんな奇跡が起こったってそこに辿り着くことはできないだろう。


 まぐれじゃ勝ち進めないんだ。


 練習量も、人数も、何もかも違うんだから。

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