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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
というわけで
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第89話




 あれから何日か経っても、あの出来事がいまだに信じられずにいた。


 女は2日ぐらい学校を休んだ。


 熱が出たみたいで、しばらく部屋で寝込んでた。


 女が寝込んでる間、天気もずっと悪かった。


 テレビをつけたら、日本列島を覆う傘マーク。


 真夏の亜熱帯高気圧が南へ遠ざかり、日本海や北日本へ張り出してきた寒帯高気圧との境にできる停滞前線が、南岸沿いに現れているらしい。


 雨は嫌いだ。


 ジメジメするし、傘を持ち出さなくちゃいけないし。



 


 雨の日はいつも、部活は休みにしていた。


 体育館に空きスペースがあれば話が別だが、生憎使える場所はない。


 だから放課後の後は速攻で家に帰って、居間でくつろぐのが恒例だった。


 あんまりダラダラしてると怒られるけど。


 っていうか、おかんに言われてずっと看病していたが、看病と言われてもなぁ…


 色々聞きたいことがあった。


 病人だから、あんまり話す時間はなかったが。


 話しかけても、ゔ〜とか気持ちわり゛〜とかしか言わねぇから、何も聞けなかったんだ。


 ジュース持ってきてとかお粥にネギを入れろとか、人使いは荒いし…



 週末になって、空が晴れた。


 朝起きると、洗い立ての街の景色が、雨上がりの向こうに広がっていた。


 「さ、行くで!」


 と、女は当たり前のように自転車の後ろに乗る。


 コイツには遠慮って言葉がないんだろうか?


 担任に見つかったらしばかれるぞ?


 お前はいいかもしれないけど、俺は良くない。


 だって3組はあの優しい堺先生だろ?


 俺んとこの鬼ババアとは根本的に違うんだ。


 めちゃくちゃ怖いからな?


 とくに男子には。

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