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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
白いパンツ
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第7話


 「…勝負?」


 「あそこにバットがあるやろ。3球勝負や」



 ふざけてるのか…?


 3球勝負?


 日本語は通じている。


 が、どうしてそうなったのかがよくわからない。


 急に勝負と言われましてもですね



 「どういうことなん?」



 まだ受けると言っていないのに、女はマウンドをならし続けている。


 やる気満々じゃねーか。


 これはなんだ…?


 新手のストリートバトルか?


 斬新過ぎてついていけないんだが、この場合どうすればいい?



 「単純な話や」



 女はさっさと打席につけと催促してくる。


 こちとら軽いパニック状態だっつーの。


 「話」ってまさか…、これのことか?


 冷静に考えようとしたが、無理だった。


 マウンドをならし終えたのか、女は仁王立ちしたまま、肩を回していた。



 「日本一のピッチャーになりたいんやろ?」



 …


 …は?



 思わず目が点になった。


 もちろん、正体不明の女に対する驚きと恐怖が、8割といったところだろう。


 だが、それ以上に驚いたのは、その「女」が、知るはずもないことを知っていたからだ。


 俺は聞き返した。



 「今なんつった?」


 「せやから、日本一のピッチャーになりたいんやろ?」



 その「言葉」は、確かに耳の奥に届いた。


 女の甲高い声色が、静かな住宅地の空気をかっさらうように響き、グラウンドに転がる落ち葉が揺れて。

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