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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
嘘だろ!?
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第82話


 「私はあんたを助けたい」



 …は?



 どうしていいかもわからずにいると、女は言った。


 “あんた”って、俺のこと?


 わけもわからずに自分に指を差すと、コクッと頷いた。



 …え?


 どういうこと?



 「あんたが今おるこの「世界」は、たくさんあるうちの1つに過ぎん。並行世界って聞いたことないか?自分が生きとる世界とはまた違う世界が、隣にあるって」



 聞いたことは…、ある


 けどそんなのは、漫画とかの世界だろ…?


 現実じゃあり得ない。


 おとぎ話じゃあるまいし。



 「ほんなら、今目にしとるものはなんや?」


 「今目にしとるもの…?」

 

 「これが「現実」やと思うか?」


 「…いや」


 「せやったら、もう少し柔軟に考えてみ?あんたが目にしとるものが「現実」やとしたら、不思議とおとぎ話も信じられるやろ?」


 「…え、………………………いや」



 はぁ


 と女はため息をついた。


 なにか気に食わないことでもあったんだろうか。


 というか、なに呑気に構えてんだよ。


 周りの状況を見ろよ。


 …一体なにがどうなってる



 「ここは運命の境界や。そして、過去と未来が分岐するタイミングでもある」


 「…はぁ?」


 「私はその中間を歩くことができる。99%の壁を越えることができる」

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