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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
新入部員
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第67話


 女は大ちゃんとペアを組んで、キャッチボールを始めていた。


 相変わらずいい球を投げる。


 フォームは完璧で、伸びのあるストレート。


 全員びっくりしていた。


 グラブ捌きも、体の使い方も、女の一挙手一投足を見るたびに。


 下手したら俺よりも上手い。


 「野球歴6年」の俺よりも。


 でも、ぶっちゃけそんなことはどうでもいい。


 全然練習に集中できなかった。


 頭の中が混乱してた。


 なにがどうして、…こうなった?


 …やべ。


 ほんとに集中できない。


 キャッチボールが終わっても、視線は自然と女の方に向いた。


 どういうつもりなのか聞きたかったが、他の奴らと楽しくやってるから、中々話しかけられなかった。


 そうこうしているうちに7時が来た。


 最後にロンTをして、今日のところは切り上げた。


 制服に着替え、学校を後にする。


 俺たちは校門前で別れた。


 大ちゃんとは帰り道が一緒だが、今日は寄るところがあるらしい。


 多分、弟を迎えに行くんだろう。


 大ちゃんは今、仮設住宅で暮らしてる。


 親はいない。


 色々事情があって。


 時々俺も遊びに行くが、まあ、それはそれとして。



 「ほなまたなー!」


 「おっす!明日からよろしく楓ちゃん」


 「こちらこそ」


 「亮平事故んなよ?」


 「…」


 「あーあ、不貞腐れてやがんでコイツ」

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