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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
やかましい
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第55話


 怒られる筋合いはないし、大体、俺がどこで何してようがお前に関係ないだろ!?


 そう反論すると、


 「キーちゃんとの夢はどこに行った?!」


 と言われた。


 思わず俺は沈黙したんだ。


 アイツからすれば、気に食わなかったらしい。


 同好会みたいなノリでやってるのも、強豪校からの推薦を断ったことも。


 アイツが言うように、甲子園が目指せる高校を視野に入れてなかったわけじゃない。


 だけど正直、うんざりしてたんだ。


 そりゃずっと考えてきてた。


 甲子園に行くことも。


 日本一のピッチャーを目指すことも。


 でも、…わかるだろ?


 千冬はもう、帰ってこない。


 そのことが頭から離れないのに、何をどう目指せって言うんだよ。


 この前も言ったけど、俺が叶えたってしょうがないんだ。


 千冬の夢は、千冬にしか叶えられないわけで…



 話してても埒があかなかったから、結局途中で終わった。


 アイツは言いたい放題で、こっちの意見なんて聞こうとしなかった。


 “夏は1回しかないから”


 って、そんなこと言われてもだな…

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