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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
好きっていうかなんていうか
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第187話


 俺が好きな人は、もうずいぶん昔から変わってない。


 好きっていうかなんていうか、“腐れ縁”みたいな感じ?


 よく分からん。


 …でも、もし目が覚めたらって思うことがあった。


 子供の頃に抱いた気持ちが、いつか言葉にできたらって。


 「好き」っていう気持ちがなんなのかを、あんまり深く考えたことはない。


 考えたってしょうがないことだと思ってた。


 ただ、目を覚まして欲しくて、それ以外のことは考えられなかったから。



 ほんとは、「好き」とかそんなんじゃないのかもしれない。


 もっとこう、伸び伸びとした気持ちっつーか、一緒にいて、落ち着くっていうか。


 一緒に叶えたい夢があったんだ。


 千冬には言えないけど、本当は、一緒にグラウンドに立てればいいと思ってた。


 甲子園とかそんなんは、本当にただの「夢」だ。


 そんな難しいことじゃなくて、俺からすれば、ただ、一緒に野球をやれるだけでよかったっていうか…



 そんなこと言ったら、千冬はきっと怒るだろうなぁって思う。


 誰よりも真剣に打ち込んでたし、1番にならなきゃ気が済まないタチだったし。


 別に1番にならなくてもって思って、試合に負けた時に声をかけたりした。


 そしたら怒るんだ。


 いつも。


 “負けられない”って、何度聞いたかわからない。


 千冬は、言い訳なんてしなかった。


 どんな時も結果を追い求めてた。


 勝つか負けるか、その“真ん中”に立とうとしてた。


 それが本番だろうが、練習試合だろうが。



 なんでそんなに自分に厳しいのか、よくわからなかった。


 もっと楽しくやればいいのにって、思いながら。

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