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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
好きっていうかなんていうか
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第185話



 “やっぱり、夢じゃない”



 そんな気持ちに襲われて、ふと、彼女を見る。


 振り向く素振りもない横顔。


 女子らしくない汚れたスニーカー。


 千冬の機嫌は良くなかった。


 良くないっていうか、イラついてるというか。


 まあ、俺のせいなんだろうけど。



 「いつまで続けるんや?」


 「え?」


 「ええ加減ネタばらしせえや。おもろいのはわかったから」



 だから違うって。


 これがネタなら、どんなにいいだろうって思うよ?


 つーかネタってなんだよ。


 まさか、俺がふざけてるとでも?



 「ほんまに行くつもりなんか?」


 「どこに?」


 「須磨高!」


 「ああ、うん」


 「ふーん」


 「なんやねん、ふーんて」


 「別に」



 盛大に勘違いしてるみたいだが、俺は至ってまともだからな?


 どう思ってるのかはさておき、せめて変人扱いするのだけはやめてくれん?


 一大事なんだっつーの。



 「よっぽど好きなんやな」


 「…はいはい」


 「ちゃんと教えてくれるんなら信じたるで?」


 「…教えるって?」


 「あんたの好きな人」



 無理無理無理。


 昨日も言っただろ?


 いちいち蒸し返すなって。


 他のことならなんでも話すが、それだけは無理。


 無理っつーか、こんな流れのような状況で言えることじゃない。


 …それに、どうせ言ったってまともに聞きゃしないだろ?


 “ネタ”とか言い出すに決まってる。


 笑いながら、はいはいとか、へぇとか。

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