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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
好きっていうかなんていうか
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第178話


 「なんでまだ着替えとらんのん?」


 「…え?ああ」



 着替えるっつったって、まだ時間に余裕はあるだろ。


 食パンをトースターに入れて、冷蔵庫にある得体の知れない瓶を手に取った。


 中には、赤い物体が。


 多分、ジャムだ。



 「なあ、これ何?」



 ラベルも何もない。


 少し大きめな瓶に敷き詰められた赤いジャム。


 苺か?


 市販のものじゃないみたいだが。



 「母ちゃんが作ってくれたやつやろ」


 「おかんが?」



 苺は苺だが、山に自生してる野いちごを使ったジャムみたいだ。


 そんなもん作ってくれた覚えないけどな。


 匂いを嗅ぐと、ほんのりと甘い香りがした。


 ジャムと言ったらブルーベリーだが、美味しいのか?…これ。



 冒険はしたくないからマーマレードにした。


 ツナチューブでもぶっかけようとも思ったけど、ちょっと気分じゃない。


 焦げ目がついたパンを取り出し、スプーンで塗りたくる。


 牛乳でも飲もうかな。


 本当はカフェオレが飲みたいんだけど、素がない。


 いつもだったら大量にストックしてるはずなのに。



 「兄ちゃん彼女でもできたん?」


 「できとらん!」


 「ふーん。ほんなら誰に会いに行くねん」



 だから、それは…



 夏樹にくらいにならありのままを伝えていい気がするが、どうだろう。


 …いや、バカにされるか。


 昨日もそうだった。


 内容が内容だけに、共感してくれるとは思えない。

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