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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
好きっていうかなんていうか
179/394

第177話



◇◇◇



 ピロリンッ




 ゔーーん



 スマホを見ると、千冬からラインが来てた。


 「今出た」


 の文言。


 なにが“出た”んだろう…


 カーテンの向こうで鳥が鳴いている。


 もう7時か…


 支度しなきゃな、と思いつつ、昨日のことがフラッシュバックする



 …そうだ。


 夢じゃないんだ


 目が覚めたら、ひょっとしたら元の世界に戻ってるかもって思ってた。


 でも違う。


 見慣れない制服がハンガーにかけられ、書いた覚えのない「甲子園」の文字。


 様変わりした部屋のレイアウトに、ふと視線が奪われる。


 “俺の知ってる世界じゃない”


 そんな奇妙な感覚に囚われつつ、周りを見渡す。



 手入れの行き届いたナイキのキャッチャーミット。


 読んだこともない漫画のラインナップ。


 食べさしのカロリーメイト。



 部屋の至る所にある知らない景色の断片は、昨日からずっと、この場所にある。


 自分の部屋のはずなのに、なぜかそんな気がしない。


 昨日だってあんま眠れなかった。


 1時くらいか?


 ようやく眠れそうになったのは。



 何もかもが急展開すぎて、ついていけなかった。


 一応寝れたが、あんま寝れた気がしない。


 体中がだるい。


 風邪でも引いたのかよっていうくらい。

 



 リビングに降りると、夏樹が朝メシを食ってた。


 おかんは朝から仕事だ。


 こっちの世界でも、バイク屋を営んでるみたいだった。


 バイク屋っつーか、“整備士”みたいな?


 昔からバイクが好きなんだ。


 いじるのも、乗るのも。

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