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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
夕暮れと影
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第152話


 「こんなやり取り…した覚えない」



 目を疑うしかなかった。


 昨日まであったものがそこになかった。


 「昨日」…?


 いや、ついさっきまでだ。


 さっきまで俺は、夏樹とラインしてた。


 帰りが遅くなるかもしれないから、洗濯物を畳んで欲しくて…



 そこにあるのは、身に覚えのないやり取りだけだ。


 っていうか、「ちふゆ」——?


 何度も見返した。


 きっと、同姓同名なだけ。


 ニックネームだって、たまたまな同じなだけで…



 「なんや?」



 彼女を見たんだ。


 もう一度、まじまじと。


 綺麗な二重瞼に、裏表のない表情。


 柔らかい毛並みに、透き通った肌。


 面影は、確かにある。


 小学生の頃のアイツは、いつだって勝ち気な表情だった。


 誰よりも負けず嫌いで、人前で弱音を吐くことなんて絶対なくて。



 彼女の顔を見れば、わかる。


 きっと、負けず嫌いなんだろうなって。


 うまくは言えないが、なんとなくそう思えた。


 凛とした佇まいや、ほんの些細な仕草の一端から。


 

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