表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
夕暮れと影
150/394

第148話


 「あんたの言う「千冬」ってのが誰のことか知らんが、私以外におるんか?!」


 「…キミ以外?」


 「その呼び方もなんやねん。気持ち悪い」



 気持ち悪い??


 彼女は相変わらず、呆れた表情を見せる。


 その理由も、反応も、俺にはさっぱりだった。



 「誰を探しとるんや?」



 「誰」——?


 そんなの決まってる。


 わざわざ、言葉にしなくたって



 「さっきから言うとる」


 「それが意味わからんのや」


 「なんで??」


 「私以外に「千冬」がおるんか?」


 「…そもそも、俺はキミのことを…」



 初めて会うんだ。


 以前に会ったことなんてない。


 それは絶対、間違いない。


 

 …でも、なんでだ?


 千冬に似てると、…感じてしまうのは。



 「…いや、あり得ん」


 「何がや?」


 「…キミが、千冬なわけない」


 「ほんなら、私は誰やねん」


 「…そんなん言われても」



 知るわけないだろ。


 “何者か”なんて。


 電車の中で、声が聞こえた。


 目を開いたら、その先にキミがいた。


 突然、話しかけてきたよな?


 …それに、さっきまで女といたんだ。


 同じ高校に通ってる、女子高生——



 「誰??」


 「…知り合い」


 「あんた彼女でもできたん??」

 

 「そんなんやない!」


 「ほんなら誰やねんそれ」


 「知り合い以上友達未満…?」


 「名前は?」



 楓。


 大坂楓。


 当然のように、彼女は知らないと言った。


 ひょっとしたら——


 と思う自分がいた。


 もしかしたら2人は知り合いなのかも、って。


 だけどどうやら違うらしい。


 …そりゃそうか


 ってか、そんなことは今はどうでもよくて

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ