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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
夕暮れと影
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第145話


 「知らない」ってなんだよ…



 俺は俺だし、ついこの前だって会ったじゃないか!


 お裾分けってことでクッキーもくれた。


 この階のステーションの人とは皆、顔見知りみたいなもんだった。



 会う人会う人、全員が、俺のことを知らないと言う。


 何かの冗談かよっていうくらいに、態度がよそよそしい。


 いてもたってもいられなくなって電話をかけた。


 千冬の姉ちゃんに。


 いつも、さや姉にはお世話になってた。


 この前もこの場所で会った。


 最近はないけど、雨が降った日とかは、ここから家まで送ってくれたりした。


 千冬がどこにいったか、知ってる気がしたんだ。


 …だから



 Prrrrrr



 「ちょっと、どこにかけとるん??」


 「…姉貴に」


 「誰の?!」


 「千冬の」


 「…私って、さや姉!?」



 …なんでさや姉のこと知ってるんだよ


 「千冬」は私だって、彼女は言う。


 病院の人に色々尋ねてると、後ろから横やりを入れられた。


 恥ずかしいことすんなって、半ばキレ気味に。



 なんでキレてんのかもわかんないし、一大事だっていうことが全然伝わらない。


 とんでもないことが起きてるんだ。


 千冬がいないんだ。


 この病院の、どこにも。


 それなのに皆平然として、挙げ句、恥ずかしいからやめろと言われる。


 なにが“恥ずかしい”んだ?


 …逆に説明してくれよ


 一体何が、…起こってるのか

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