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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
ここは…?
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第133話


 このお守りはいつも、手元にあった。


 高校に入るまでだったかな?


 今じゃ机の引き出しに置きっぱだけど、昔はずっと入れてたんだ。


 野球バックのポケットの中に。



 小4の時に買った。


 千冬と、2人で。


 どうしてもほしいって言うから、渋々付き合ったんだ。


 どっちかっていうと俺はあんまり興味がなかった。


 “運”なんてものは信じてないタチだし、何百円もそれに使うくらいなら、ジュースとかお菓子を買った方がいいとさえ思ってた。


 でもアイツが言ったんだ。


 一緒に買おうって。


 えぇ…とあからさまに嫌がっても関係なかった。


 気がついたらお店の前にいた。


 だから仕方なく、紺色のそれを買った。


 その日以来、ずっと肌身離さず持っていた。



 最初はあれだったけど、俺にとっては特別なものになってた。


 いつの間にか。


 大事にするつもりなんてなかった。


 お守りなんて、なんの役にも立たないものだと思ってた。


 “野球が上手くなるおまじない”


 千冬はそう言って、買ったばかりの小さなそれを、嬉しそうに眺めてた。


 そんな都合のいい話があるわけが…


 と、突っぱねると、俺のほっぺたをつねって、一緒に頑張るぞ!と豪語してきた。


 あの日買ったおそろいのお守りは、俺たちがパートナーでもある証だった。


 アイツがどう思ってたのかは知らないけど、いつの間にかそう思えたんだ。


 バッテリーを組んで、一緒に練習を重ねるにつれて。

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