表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
ここは…?
133/394

第131話


 電光掲示板の明かりが、各方面の発車時刻を表示しながら、下り線の電車が人をかき分けるようにやって来る。


 ホームの線路を跨いで吹き抜けてくる、涼しい空気。


 屋根の下には電灯が灯り、褐色に灼けた空の色が、少しずつ灰色に傾き始めていた。


 目まぐるしい人の動き。


 ホームの喧騒。


 今、自分がどこにいるかを、頭の中で理解できないわけじゃない。


 だけど見知らぬ女子高生に袖を掴まれ、こうして、わけもわからずに立ち止まっていると、自分が今何をしているか、一瞬わからなくなる。


 彼女の目を見たんだ。


 綺麗な二重まぶたの下に際立つ、透き通った眼差しを。


 どんな顔をして、その「目」を見ればいいかもわからなかった。


 立ち止まったまま、次にどう動けばいいのかも。



 「はよ行くで」



 行くって言ったって、…どこに?


 俺はアイツを探さなくちゃいけない。


 なんなら、一緒に探して欲しいくらいだった。


 さっきの電車はもう行ってしまったし、ホームにもどこにも、見当たらないし…



 引っ張られるように俺は階段を登った。


 これからバッティングセンターに行くらしい。


 最近の女子は、野球が好きなやつが多いのか?


 名前も知らないその子の後ろを歩いていると、彼女のボストンバックに目がいった。


 それは、見覚えのある物体が、ふと、視界の中に飛び込んできたからだ。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ