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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
ここは…?
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第128話


 「…何?からかっとる?」



 そんなつもりはない


 どこをどう捉えたらそうなるんだ?


 逆に聞きたいくらいだった。


 どっからどう見ても、赤の他人に見えたから。



 「…からかっとらんけど?」


 

 不思議そうにこっちを見てきた。


 …えっと、…なんで?


 どうしてそんな顔をされるのかも、どうして話しかけられてるのかもわからなかった。


 イヤホン越しに聞こえてくるiTunesの音楽。


 しかめっ面に持ち上がる眉毛が、窓越しに過ぎていく街の景色のそばに止まり。



 「…頭でも打ったん?」



 打ってない…けど?


 目を瞑れと言われたから瞑って、それで…


 記憶を思い返してた。


 ついさっきの事だというのに、妙に記憶が遠い。


 電車が揺れている音が耳のそばを抜け、立ち並ぶビルの被写体が、ガラス越しに大きくなっていく。


 もうすぐ駅だ。


 車内ではアナウンスが流れ、人や車で溢れる繁華街の街並みが、夕暮れ時の日差しの下に動いていた。


 窓の外に目をやりながら、目を閉じる前のことを思い出そうとした。


 わざわざ思い出すほど、時間は経っていないはずなのに。



 「もしもーし」



 謎の女子高生は、また、デコピンをしようとしてきた。


 やばッ!


 と思いながら咄嗟に後退り、両手でガードした。


 さっきは思いのほか痛かったんだ。


 なんならまだ、ヒリヒリしてる。


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