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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
白いパンツ
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第11話


 「言い忘れたが、見逃しもカウントされるで?」


 「…あ、ああ」



 俺は目を凝らした。


 今目にしたものがなんであれ、しゃんとしなきゃいけないと思った。


 …そんなバカな


 女は再び振りかぶり、足を大きく上げる。


 なんつー豪快なフォームだよ…


 重心が移動し始めた。


 こっちに向かってくるのがわかった。


 だから、タイミングを測ったんだ。


 ほとんど本能に近い。


 野球をかじったやつならわかる。


 ピッチャーのモーションに合わせて、バットをトップに持ってくる。


 ステップが遅れればやられる…!


 それがバッターってもんだ。


 だが相手は女なわけで…


 そんな焦らなくても…




 バシィィッ!




 なっ…



 左足を踏み込み、俺は真っ向からフルスイングした。


 にも、関わらずだ。


 ボールはなぜか、バックネットに突き刺さっている。


 18m先から向かってきたボールが、その勢いを失うことなくバウンドして、フェンスの手前に転がっている。



 そんな、


 …ばかな




 「はい、あと1球ね」



 なんなんだ、こいつ



 …女、だよな?



 あり得ないスピードが、目の前を通り過ぎた。


 ストレートが来るとは思っていた。


 だが、実際に来た球は想像の範疇にもないものだった。


 空を切られたバット。


 ど真ん中を通過して行った軌道。


 ドヤ顔をかます、正体不明の女子高生。

 

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