表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
ここは…?
128/394

第126話


 ◇◇◇




……………………………………………………



………………………


…………





 「…おい、亮平!亮平ってば!」



 誰かが呼んでる声がする。


 電車に乗って目を瞑り、漠然とした意識の底で、長い時間が過ぎた感覚があった。


 女の声が遠のいて——



 …確か、…それから




 「亮平!」



 ハッとなって目を開けた。


 天井からぶらぶらと揺れている吊り革。


 蛍光灯の白い光。


 咄嗟に眩しいと思うと同時に、目を細めた。


 朝起きてカーテンを開けた時のように、ほとんど反射的に。



 「何ボーッとしとるん?」



 …へ?



 女はそこにいなかった。


 目の前にいたのは、見慣れない制服を着た女子高生…だった。



 「誰?!」



 目の前にいたその子は、確かに俺の名前を呼んでいる。


 だけど見覚えがなさすぎて戸惑ったんだ。


 長いまつげに、すっきりと整ったアゴ。


 センターに分けた前髪の奥で、凛々しい上目遣いの眼差しが、視線の真ん中に触れてくる。



 「は?」



 顔を強張らせ、ムッとこちらを睨んできた。


 くっきりとした瞳の輪郭は、怖いくらいに鋭かった。


 曖昧な線が1つもない。


 そう感じてしまうほど、均整の取れたキメ細やかな顔立ちが、隙間もなくぶつかってきた。


 俺はたじろいだ。


 そうするより他になかったからだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ