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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
ライバル
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第116話


 女がどうして野球をやってるかを、深く尋ねたことはない。


 興味がないと言えば興味がないし、好きにすればいいとも思うから。


 でも、ブルペンに立つ女の投球を見ると、どうしても、興味を持たずにはいられなかった。


 球だけ見れば、県大会でもそれなりの活躍ができるくらいのレベルだ。


 しかもまだ高1。


 もしも男として生まれてきてたら…


 そう考えると、すごくもったいない気がした。



 「なあ」


 「あん?」


 「なんで野球やっとん?」



 単純に聞いた。


 深い理由も、特別な感情もない。


 ただ、尋ねた。




 「明日、世界が滅ぶから」



 …また言ってる



 誰がそんなこと信じるかっつーの。


 “世界が滅ぶ”って正気かよ…


 悪りぃけど、信じられねー


 話のつながりもよくわからんし。



 「昔、この街で地震があったやろ?」


 「…え、ああ…」



 『地震』


 その言葉の意味はすぐにわかった。


 深く考える必要もないほど。



 この地域に住む人は、多分、全員知ってる。


 子供の時から、学校でもテレビでも、よく話題に上がっていたからだ。


 おかんからもよく聞いた。


 親戚のおじさんやおばさんからも。


 俺が生まれるよりも少し前に、大きな地震があったことを。

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