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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
ライバル
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第111話


 「はよ行かんと朝練に間に合わん」



 時計は今6時を差している。


 “6時”だ。


 なんでこんな時間に起きなきゃいけないかと言うと、女が朝練を始めようとか言い出したからだ。


 最初、ふざけんなよと思った。


 するわけないだろ。


 そう考えるのが自然で、本当にやる気が起きなかった。


 大体朝練なんて強いところしかやらない。


 俺たちはまだ“弱く”もない。


 チームとしてまだ成り立ってすらいないのだから。



 「朝メシくらい落ち着いて食わせろ」



 何が嬉しくてこんなに早くから学校に行かなきゃいけないんだ。


 確かにこの時間はグラウンドが貸し切り状態だ。


 ソフトボール部も陸上部も使ってないから、広々と練習ができる。


 でも、だから何?って話だ。


 一応大ちゃんと健太が参加してくれてはいる。


 2人とも寝不足気味で、無理やり参加させられてる感はあるが。


 ただ、大ちゃんの方はどのみちいつも朝が早いから、そこまでって感じかな?


 俺は絶賛眠いけど。



 「もーらいっ!」


 「あ!」



 明日の朝にと冷蔵庫で温めておいた新発売のシュークリームが、強奪された。


 取り返そうとしてもダメだった。


 近づくと瞬間移動しやがるんだ。


 とてもじゃないけど捕まえられない。


 多分、物理的に不可能だろう。


 この前なんか手に持ってたマヨネーズをケチャップに入れ替えられたし…



 「…やめろそれ」


 「鈍臭いなぁ」



 インチキだからな?それ


 目の前から急にいなくなるんだぞ?


 どんなやつでも無理だっつーの。


 シシシと笑いながら、女は得意顔を浮かべていた。


 …すごく、腹が立つ。

 


 コイツの罪状は、すでに30件ぐらいある。


 主に窃盗、恐喝…etc


 昨日一緒にコンビニに寄ったじゃねーか。


 美味しそーとか言ってたからご丁寧に購入を促したよな?


 でも結局買わなかった。


 で、俺のを盗んでいる。


 ふざけんなよマジで。

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