表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
白いパンツ
11/394

第9話


 「さっさとしぃや」



 …いや、まだオッケー出してないんだけど。


 仕方なくバットを持ち、バッターボックスの中に入った。


 言われるがままに立たされたわけだが、これって俺にメリットなくね?


 勝負とは言うが、ルールは?



 「3球勝負?」


 「そう。あんたは、バットに当たりさえすれば勝ち」



 …


 ………


 ……はぁ?



 バットに当たりさえすれば勝ち…って、ナメてんのか。



 「ファールとかは?」


 「それでもあんたの勝ちや」



 …嘘だろ?


 いや、まあ、こっちにとっちゃありがたい話だ…


 勝ったところでって感じではあるが。



 「そのかわり、負けたらさっき言ったこと、頼むで?」


 「さっき言ったことって、なに?」


 「住む場所と、食べるもの」



 聞き間違いじゃなかったのか…?


 呆気に取られていると、女は投球モーションに入った。


 両手を大きく振りかぶり、マウンドプレートにカカトを乗せて。


 急いで俺は構えた。


 心の準備がまだ整っていなかったが、こうなったらやるしかない。


 どうせ大したことはないだろう。


 女が投げる球なんて、軽く振っても当たる。


 山なりのボールかなんかだろ、どうせ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ