表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
ライバル
109/394

第107話


 なんで野球を続けてるんだろうって、時々考える。


 アイツの代わりに甲子園に行くなんて、そんなこと、今じゃイメージもできない。


 俺はただ、アイツの球を受けてさえいればいいと思ってた。


 夢を追いかけるアイツの隣で、ただ、役に立てればいいと思ってた。


 俺に教えてくれたんだ。


 待ってても、何も始まらないこと。


 雨が止むのは、待ってるだけじゃダメだってこと。



 「さあ、行こう!」



 と、アイツは俺の手を引っ張った。


 海が見える丘の端まで走り、長い坂道を下って。



 本当はわかってるんだ。


 俺がアイツに憧れてたのは、いつだってがむしゃらに走ってたその姿が、死ぬほど羨ましかったって。


 いつか、俺もあんな風になりたいと思ってた。


 アイツの横に立って、同じ歩幅で歩きたいと思ってた。


 だから必死に構えてたんだ。


 アイツが全力で投げられる時間に辿り着きたい。


 安心して投げられるようになりたい。


 その一心で、キャッチャーミットを構えてた。


 世界でいちばん速いストレートを、目の当たりにしたくて。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ