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雨上がりに僕らは駆けていく Part2  作者: 平木明日香
というわけで
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第98話


 「そこで、私の出番というわけや」


 「はい?」



 女は腕を組んで、偉そうに俺たちを見た。


 つい先日の練習を見て、女が誰よりも野球が上手いことは、一目瞭然だった。


 だから皆も、女に興味津々だった。


 一体何者なんだろうと、学校中の噂になっていたくらいだ。


 投げては誰よりも速い球を投げ、打ってはホームランを連発する。


 どっからどう見ても只者じゃないことはわかってた。


 大ちゃんなんかとくにだ。


 130キロくらいのスピードボールを投げられる女子高生なんて、全国でも早々見られない。


 …いや、いないんじゃないか?


 男子だったらゴロゴロいるけど、女子じゃ聞いたこともない。


 大ちゃんは元々ピッチャーだから、その凄さがよくわかってた。


 だから、食い入るように見てたんだ。


 打ったり、投げたりしている姿を。

 


 「私があんたたちを甲子園に連れてったる!」



 耳を疑った。


 全員そうだ。


 少なくとも俺は、何を言ってるんだろうと思ってしまった。


 …単純に、馬鹿げてるし。


 健太は笑いながら、甲子園って、あの甲子園?と疑問を投げかけていた。


 祐輔はいいんじゃない?とかテキトーなこと言ってるが、ツバサや岡っちは、あまりの現実離れした発言に、互いに目を合わせていた。


 大ちゃんに至っては眉間に深いシワを寄せていた。


 衝撃的な発言を聞いて、女が何を言ってるのか理解しようとしたんだろう。


 が、恐らく、どう頑張っても理解できないから、形容し難いくらい険しい顔になったんだ。


 俺は俺で、鼻で笑った。


 それくらいぶっ飛んでると思ったから。

 


 

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