二度目の学園祭 1
お久しぶりでございます! ストックがとんでもない量があるので今日からまた更新していこうと思います!
そして3月1日に小説10巻が発売です♬
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「模擬店、一緒にやらない? 次のランク試験、Bランク目指したいし」
「いいね! でも、何が盛り上がるんだろう」
秋休み明けのハートフル学園は、学園祭の話題で盛り上がっている。
別教室での四時間目の授業を終えた私は、教科書を抱えて教室へ向かいつつ、前を歩くクラスメート達のそんな会話を聞いていた。
「レーネは今年も何かやるの?」
「正直ランク試験の加点が欲しすぎて、全力で今年も入賞を狙っていきたいところではあります」
一緒に歩いていたテレーゼの問いに対し、ぶんぶんと首を縦に振る。
──去年からシステムが変わり、クラスごとの模擬店はなくなり、学年クラス問わず自由に仲間を作って参加していいことになっていた。
そして売り上げが最も多かった上位三チームには、ランク試験での加点がある。
私達は昨年、ホストクラブという神企画をした結果、売り物が一日で無くなるほどのとんでもない売り上げを叩き出し、優勝を果たした。
「あれが学園祭の間だけで良かったよ……毎日営業してたら、破産者で溢れてたもん」
たった一日で見間違いかと思うくらいの売り上げで、恐ろしくなった記憶がある。
「今年からルールが変わったの、絶対に私達のせいよね」
「間違いない」
今年からは売り上げではなく、人気投票で上位三チームを選ぶことになったらしい。それに伴ってお店ではなく、出し物系もOKになったと聞いた。
間違いなく私達が去年、学生らしからぬ莫大なお金を動かしたせいだろう。
とはいえ、お客さん達もすごく楽しんでくれていて、満足度のアンケートも一位だった。本当に何もかもみんなのお蔭で、感謝してもしきれない。
「でも、すっごく楽しかったな! 最高の思い出になったもん」
「私もよ。だから今年もやるつもりなら、ぜひ私もレーネとやりたいなと思ったの」
「テ、テレーゼ……もちろんだよ! 絶対に絶対に一緒にやろうね!」
教科書を脇に挟み、テレーゼの手を両手でぎゅっと握る。
私の周りはみんな上位ランクで試験の加点なんて必要ないから、私が巻き込んでしまったような気持ちもあるからこそ、そう言ってもらえてすごく嬉しい。
教室に戻った後はいつものメンバーを誘い、食堂でテーブルを囲んだ。
「姉さん、話ってなあに?」
ハンバーガーセットの乗ったトレイを持ったルカもやってきて、私の隣に腰を下ろす。
今年はルカも誘いたいと思い、声をかけていた。
「俺は分かるぜ、ずばり学園祭で一緒になんかやろう! だろ?」
「その通りです」
ヴィリーだけでなく吉田や王子、ラインハルトも察していたらしい雰囲気で、頷いている。
「みんなさえ良ければ、今年も一緒に何かやれたらなと思って」
「おう! 去年も楽しかったもんな」
「僕もぜひレーネちゃんやみんなと一緒にやりたいな」
「まあ、いいだろう。ただし去年のようなものはもうやめろよ」
「…………」
「学園祭とかよく分かんないけど、姉さんと一緒なら何でもやるよ!」
既に一緒にやってくれると言っていたテレーゼ以外もみんな快諾してくれて、笑顔がこぼれる。
今年も絶対に絶対に楽しくて最高のものになるという確信があり、胸が弾む。
「でも、何をやるつもりなの? 今年は店じゃなくても良いみたいだけど……」
「人気投票となると、また難しいだろうな」
やはりここは言い出しっぺの私が決めるべきだろうと、実は今日の隙間時間で考えていた。
私達もお客さんも楽しめつつ、友人達の強みを生かせるもの、それは──……
「実はね、演劇ってどうかなと思ってるんだ」
そう、その辺の俳優よりもよっぽど美形の友人達が出演するとなれば、間違いなくお客さんは集まるだろうし、元の世界で言う「推し活」などもできるのではないかと思った。
学園祭の二日間に何度も公演はできるだろうし、その回ごとにアドリブを加えたりすれば、何公演も通うお客さんだって現れるはず。
乙女ゲームオタクだった私は、乙ゲーが元になっている舞台やミュージカルも好きで、よく見ていたからそれなりに知識はある。
「いいじゃん! すげえ面白そうだな」
「ええ。見るのは好きだけれど、自分がやる機会なんて滅多にないものね」
「…………」
みんなも乗り気のようで、ほっとする。
去年同様、照れ屋の吉田は少し眉を顰めていたものの、吉田の演技が見たい、吉田が出てくれないと始まらないんだと懇願した結果、なんとか頷いてくれた。
私は監督としてしっかり全体をサポートしていこうと、心に決める。
「なに? 学園祭の話?」
そんな中、頭上から聞こえてきたのは、ユリウスの声だった。頭に顎を乗せられ、するりと身体に腕を回される。
「えー、俺達も交ぜてよ。寂しいな」
「ええ、ぜひレーネ達と一緒にやりたいわ」
次に聞こえてきたのは、アーノルドさんとミレーヌ様の声で。仕事ができすぎるミレーヌ様と地獄のような色恋営業をしてくれたアーノルドさんも去年、大活躍してくれた。
「俺のこと誘ってくれないなんて、ショックだな」
「いえ、後でみなさんにもお声がけしようと思っていて……」
実は三年生はこれから忙しくなる時期だと噂に聞いており、後でユリウスにこっそり聞いてもらうつもりでいたのだ。
こうして集まって誘っては、優しい三年生達は断りづらいかもしれない。そう思ってのことだと話せば、ユリウスは「なるほどね」と呟いた。
「忙しいのは卒業試験に向けて余裕がなかったり、進学じゃなくて就職する生徒だと思うよ」
「そうそう。俺達は試験も余裕だし、進学予定だから暇なんだ」
私の杞憂だったらしく、ほっとしながらぜひ三人にも参加してほしいとお願いをした。
三年生組も参加してくれるとなれば、もはや全員がトップスターのような、豪華すぎる最高のステージができてしまう気がしてならない。
「演劇か、やっぱりレーネは珍しいことを考えるね」
「えっ? そうなんだ」
元の世界では学園祭での演劇なんてド定番だったものの、この世界では違うらしい。
私は幼稚園から中学まで学園祭で演劇はあったし、高校では全員で舞台を見に行くような機会もあったため、とても親しみ深いものの一つだった。
演劇自体がレアなら、より目立つことができるはず。
最も知識や経験があるのは私だろうし、絶対に大成功させようと気合を入れる。このメンバーで失敗した場合、全て私のせいになるだろう。
「前回と同じく私の方でまた計画書を作ってくるので、よろしくお願いします!」
「おう、よろしく!」
「ありがとう、レーネちゃん。楽しみにしてるね」
「任せて! 私がスポットライトとなって、最高にステージ上のみんなを輝かせてみせるから!」
「異常なやる気だな」
そんなこんなで、今年はみんなで演劇をやることが大決定した。
今年も去年同様に私が代表者となったため、責任重大だ。
後で去年も一緒に模擬店をやったユッテちゃんと、その恋人であるイケメン先輩も誘ってみようと決めて、まずは腹ごしらえが必要だと昼食のオムライスに向き直った。
その後、満腹で教室へ戻る途中、私は吉田の隣を歩いていた。
「吉田はどんな役が合うかな? ロマンチックなセリフを言う吉田も見てみたい気がする」
「俺は木の役でいいぞ」
「えっ? 木の下で愛する女性が命を落とした後、その場で自身も亡くなった結果、数百年後に木の精霊となって、人間として生まれ変わった女性と再び出会う木の役を……?」
「お前は脚本を書くのも向いていそうだな」
冷静なツッコミをしてくれる吉田は小さく溜め息を吐くと、軽くグーで私の頭を小突く。
「とにかく浮かれて怪我をしないようにしろよ」
その一言から、吉田が何を言わんとしているのかはすぐに理解できた。
去年の学祭期間中、私は調理室の爆発事故に巻き込まれ、あちこち骨折の大怪我をしたのだ。その際に一緒にいたのが吉田で、たくさんの心配をかけてしまった。
「確かにそうだね、ありがとう! しっかり気を付けます」
「ああ」
もうあんなことがないよう、気を付けようと気を引き締めたのだった。




