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説得

「エ、エル……。一体どうやって三人を説得したの?」

 最初の反抗的な態度から一転した隊長達の様子を見て康生は困惑の表情を浮かべる。

「ん?ただ私は自分の思っていることを話しただけだよ?この世界を平和にしたいんだって」

 康生の問いにエルは笑顔で答える。

 しかしそれでも納得できない康生は頭を悩ませる。

「それじゃあ私たちはこれから話し合いをするから康生とエルはしっかり休んでくれ」

 ここからはエルに代わり、地下都市の事情に詳しい時雨さんがそれぞれの隊長達と話しをつけるようだ。

「分かった。じゃあ後はよろしくね時雨」

「あぁ、任せてくれエル」

 エルは笑顔で時雨さんに声をかけその場を後にする。


「あ、ちょ、ちょっと待ってよエル」

 そうして最後まで頭を悩ませていた康生はエルを追いかけて急いで立ち去る。

「――さて、それじゃあこれからの事を話しましょうか」

 康生とエルが去っていくのを笑顔で見守っていた時雨さんだが、すぐに表情を真剣なものに変え隊長達と共に建物の中に消えていった。




「本当に時雨さんだけに任せてよかったの?」

 街の中を歩きながら康生は時雨さんの身を案じる。

「時雨さんは今やこの街の責任者を努めているんだよ。だからきっと大丈夫だよ」

 しかしエルは康生の心配をよそに明るい表情で答える。

 エルは康生と対照的で、とても楽しそうに街の中を歩く。それはきっと康生が部屋から出てきてくれたことの嬉しさなのだろう。

「でも……」

 しかし当の本人は時雨さんを心配しているようで、全く楽しんではいなかった。

「康生」

 そして等々そんな康生を見かねたエルがじっと顔をのぞき込む。

「ど、どうしたエル?」

 急に顔をのぞき込まれたので康生は少し焦るように後ずさる。

「もうちょっと時雨を信用して?」

「え?」

「時雨の事を心配する気持ちもあるけど、大丈夫だよ。さっきも言った通り今のこの地下都市を仕切っているんだよ?そんな時雨だから大丈夫だよ。康生は何も心配することがない。それより、時雨が帰ってきたら皆でパーティーしよ?どうせ考えるんだったらそっちの方が絶対楽しいよ」

 エルはにこにこと笑顔で話す。

 そんなエルを見て康生もようやく肩の力が抜けたようで、表情に笑みが見え始める。

「そうだな。時雨さんだもんな」

 大丈夫。康生はそう自分に言い聞かせた。

「よし!じゃあ盛大にパーティーをしようか!」

「うん!そうだね!」

 康生が元気になったことで、エルはさらに元気になる。

「あっ、そうだ!その前に康生に見せておきたいものがあるんだ!」

「見せておきたいもの?」

 康生は思わず聞き返す。

「うん。ちょっとついてきて!」

 そうして康生はエルに連れられて地下都市の中を走るのだった。

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