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写真

「えぇい!どうして儂がこんな目に!」

 広場から少し離れた所で、都長――正確には元都長――が数名の兵士に連れられ歩いていた。

 目指す先は地下都市入り口。

 恐らく都長をどこかに連行するのだろう。

 都長は未だ不満の表情を浮かべながら渋々と歩いている。

 しかしその時、

「な、なんだっ!?」

 都長達が歩く道に突如、煙が充満した。

「誰かいるのか!」

 兵士達は立ち止まり、剣を構えて敵を見つけるためにじわじわと進む。

 しかし煙で何も見えない視界の中、当然敵を見つめるのは困難だ。

「うわっ!」

 そうして例に漏れず、煙の中を進む兵士達は突然の攻撃で倒される。

「な、何事じゃっ!」

 兵士の叫び声を聞き、都長は声をあげる。

「…………」

 しかし、兵士からの返事は返ってくることはなかった。

「な、なんじゃっ!」

 都長は怯えた表情を浮かべながらもじわじわと後退する。煙から逃げるように。

「――今からする質問に答えろ」

 後退すると同時に背後から声が聞こえる。

「ひゃっ!」

 しかも都長の背中には何か堅く尖った刃物のようなものが突き刺さられる。

「い、一体、誰じゃ!」

 都長は動揺しながらも言葉をかける。

 聞きたいことがあるという以上すぐには殺されないと思ったのだろう。

「この娘の事を知ってるな?」

 そう言うと同時に背後の者は都長に一枚の写真を手渡す。

「こ、こいつはっ!」

 写真を見た都長は声をあげる。

「やはり知っているんだな」

 都長の反応を見て、後ろの者は情報を聞き出すため、さらに刃物を突き刺す。

「わ、分かった話す!話すからそれ以上はやめてくれ!」

 死の恐怖にとりつかれている都長はすぐに口を開く。

「そ、その娘は少し前、儂の屋敷に侵入してきたのじゃ!しかも、その娘はあろうことか、私が送ろうとしていた娘達と共にこの地下都市を出て行ってしまった!それからの事は儂も何も知らない!」

「ほんとうだな?」

 都長の話を聞き、後ろの者はさらに刃物を突き刺す。

「ほ、本当じゃ!儂はこれ以上何も知らん!」

 刃物を突き刺された都長は死にたくない一新で答える。

 その慌てようを見て後ろの者は都長の言っていることは本当なのだと確信したようだ。

「はぁ…………」

 最後、後ろの者はため息をこぼして都長の背後から姿を消した。

「――な、なんじゃったんじゃ今のは……」

 煙も晴れ、周りに兵士達が倒れているのを確認した都長は呟く。

「ん?そういえばあの娘は確か上代と言ったような……」

 と、そこまで考えて都長は今の絶好の状況に気づき、それから何も言わずにその場を立ち去った。

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