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見える

「まだか……」

 康生はリングの中を見渡す。

 あちこちから機械の音は聞こえてくる。音でどこの位置にいるのか把握するのもいいのだが、なにぶん動きが速すぎてとても把握することは出来そうにない。

 だからこそ隊長が立ち止まるのを待つしかないが、隊長は姿を一向に現さない。

「そんなに長くは続かないはずなんだが……」

 時雨さんも康生と同じように中々姿を現さない隊長に焦りを見せているようだ。

「うん、魔法の効果もそろそろきれるはずだから……」

 エルも会話に混じり、魔法の効果切れを説明する。

 そろそろ、と分かっていてもそれはいつのか分からなければ結局神経を無駄に使うだけだ。

(何かいい方法はないのか?)

『ちなみに動きを解析していますが、不規則すぎて動きを予測することは出来ません』

 とAIも弱音を吐く。

 AIの言葉を聞き、康生は奥歯を噛みしめる思いでリングを見渡す。

(このままじゃ、いつ現れて俺たちを攻撃するか分からない。ましてや敵は銃を使う。姿が見えないままじゃ絶対に負ける……)

 康生はリングを見渡しながら作戦を考える。

 勝負は隊長が姿を現すより前にこちらから攻撃をしかけることだ。

「何かいい方法は…………そうだ!」

「何かいい方法が思いついたのか?」

 康生がぱっと頭をあげたので、すぐに時雨さんが耳を向ける。

「うん、これならきっと隊長の位置が把握できるはず……!」

 そうして康生が取り出したのは一つの丸い玉だった。

「それってもしかしてあの光やつ?」

 エルが康生の手をのぞき込む。

「いいや、これはあれとはまた違うやつだよ」

 康生は首を横に振る。

 それから康生は同じような玉をいくつも取り出す。

「時雨さん、まだ速く動けますよね?」

「あぁ、あれから何も力を使っていないから全然動ける」

 時雨さんの返事をきき、康生は短く頷く。

「じゃあ時雨さんはこの玉をできるだけ全方位に一気に投げてほしい」

「この玉をか?」

 時雨さんは康生から玉を受け取ると、康生のいいたいことが分からないように首を傾げる。

 しかしそれでも康生の言うように時雨さんはすぐに玉を投げる準備をする。

「それじゃあ行くぞっ!」

 そのかけ声とともに時雨さんは手に持っている玉を全方位同時に投げる。それでも時雨さんだけじゃ全方位に投げることは出来ないので、時雨さんの背後では康生が同時に投げる。

「一体何をしてるの?」

 そんな中エルが疑問に思い首を傾げる。

 しかしその瞬間、パンッ!という音とともにリングの中にオレンジ色の液体が飛び散る。

「これは……」

 それを見て時雨さんは心当たりがあるように呟く。

「そう、これは防犯グッズで使われているカラーボール。をより全方位に飛び散るように改造したものだよ」

 そして康生の狙い通り、カラーボールがリングの中に飛び散る。

 そしてそれは当然隊長の鎧にもかかり、

「あっ!隊長の姿が見える!」

 エルがリングの中を指さす。

「やっぱり。いくら速く動いているからって、完全に見えないなんておかしいと思ったんだ」

 康生の予想通り、隊長の鎧には仕掛けがされており、恐らく見えにくくなるような仕様があったのだろう。

 それが今、鎧に塗料が飛び散ってきたこともあり隊長の動きがしっかりと視認できた。

「よし!魔法の効果がきれるまでにやるぞ!」

 康生が再度声をかけ、エルと時雨さんはぐっと構えた。

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