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証言

「それで今はどうなったんだ」

 康生がなんとなく呟く。

 ここでようやくエルと時雨さんは先ほどの出来事について思い出す。

「そ、そうだ!今広場の建物が爆発してて!」

「何者かは分からないが、おそらく都長に恨みを持っているがテロを起こしたと考える」

 二人の言葉を聞き、康生広場中央にそびえ立っていた建物を見上げる。

「ほんとだ……」

 さっきまであった建物が爆発でなくなっていることを康生が気づく。

「一体誰が……」 

 康生がそう呟くとどこからか足下に一枚の紙が落ちてきた。

「これは?」

 真っ先に気づいた時雨さんは紙を拾い上げる。

 康生とエルも時雨さんに近づくようにして紙をのぞき込む。

「これは!」

 すると時雨さんは突然大きな声をあげる。

 しかし康生とエルはただ名前が書いてある紙を見ても何も思うことはなかった。

「これって一体……」

 康生が尋ねよとした瞬間、広場に響くように声が聞こえた。

「あー。あー。聞こえますかー?」

「貴様は誰だっ!?」

 その声に真っ先に反応したのはやはり都長であり、おそらく声の発信源である建物の上を見上げる。

「この声……」

 康生は考えた。この声をどこかで聞いたことがあるような気がしたからだ。

 しかしすぐに思い出せないまま、声はさらに言葉を続ける。

「え〜、今皆さんが持っている紙はそこの都長の部屋にあったものです。しっかりと都長のサインもあるので都長のもので間違いないでしょう」

(都長のサイン?)

 声を聞いた康生とエルはすぐさま紙を見直す。

 すると一番下になにやら名前のようなものが書いてあるのを見つけ、おそらくそれが都長のサインなのだろうと思った。

「どうして貴様がそれをっ!!」

 都長は果敢に建物の上に向かって声をあげる。

 しかし声の主は都長の言葉には全く耳をかさず、周囲の反応を伺うように静かになる。

 声が聞こえなくなったことで康生はようやく周囲のざわつきを耳に入れる。

「おいおい、これって……」

「こ、この名前……」

 どうやら町の人もこの紙を見て何かを感づいたようだ。

「そうですっ!」

 そして町の人のざわめきに合わせるように声がまた鳴り響く。

「この紙のリストに書いてある紙は全てこの町で行方不明になった少女達!そしてリストの下には契約内容、そして都長のサイン!つまりここから導き出せることはスバリ、行方不明の少女たちは皆都長が何者かに手渡しているということ!」

 声が響き終わると同時に町の人々は一斉に都長へ視線をずらす。

 その視線は今までの怯えたものではなく、明確な敵意をむき出した目だった。

「まさか都長がこんなことをしていたなんて……」

「ま、待て!わ、儂はそんなもの知らん!!」

 だが都長は真っ向から否定する。

 このまま都長が否定を続けて長引くのかと思われた時、エルが大きく息を吸う。

「これは本当です!私も都長に捕まった時に私をどこかに送ると話していました!」

「なっ!ど、どうしてお前がそれをっ!」

 エルの証言、そして最後の都長の言葉により、この事実は本当だということが証明されたのだった。

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