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魔法

「何事じゃっ!?」

 突然爆発した建物に都長は声をあげる。

「大丈夫ですか都長」

 そんな都長の横にすぐに隊長が移動する。

「儂は大丈夫じゃ!そ、それよりあの爆発は一体なんじゃ!?」

 都長は突然の爆発に戸惑っている。

「今だっ!」

 その隙をついてエルが康生の元へと駆け出す。

「ま、待てっ!」

 しかし都長がすぐに気づき後を追いかけようとする。

「都長。今は自身の身の安全を最優先にして下さい」

「ぬぅ……!」

 すぐさま隊長に止められて都長は苦い顔を浮かべる。

「康生っ!」

 エルはすぐにリングの中へと入り康生の元へと行く。

「エ……ル……」

 もう大分血を流してしまったのか康生の意識は朦朧としていた。

「大丈夫かっ!?」

 そしてすぐに時雨さんも合流する。

 背後を見ると時雨さんを囲んでいた兵士達は爆発に混乱していたようで、その隙をついてここまで来たのだろう。

「うっ…………」

 康生はもうまともに声を出すことも出来ずにいた。

 そんな康生のそばに二人はしゃがみ込む。

「くそっ!血が流れすぎてる!この状況じゃ治療することさえ出来ないっ!」

 すぐさま康生の容態を確認した時雨さんは悔しそうに顔をしかめる。

 しかしエルは焦ることなく小さく深呼吸をする。

「――私に任せて」

 そういうとエルは康生の体に向けて手のひらを向ける。

「何をしてるんだ?」

「私だったら康生を治せる」

 ここで時雨さんは気づく。エルが異世界人であることを。そして異世界人は魔法が使えるのだと。きっとエルは魔法で康生を助けようとしているのだと。

「『ヒール』」

 エルが唱えるとエルの手のひらがそっと緑色の光を発する。

 その光は徐々に康生の体を覆う。

 ゆっくりと体を覆う光から時雨さんは優しい暖かみを感じ取る。

「これが魔法……」

 エルが使う魔法に時雨さんは思わず感動する。なんて優しい魔法なのだと。

「もうちょっと……!」

 額に汗をかきながらエルはじっと康生を見る。

 エルの言葉通り康生の体に開いていた穴は徐々に塞がっていた。

 やがて光が弱まると同時に康生の体の傷がなくなる。

「――終わった」

 完全に光が収まるとエルは思わずその場に尻餅をつく。

「だ、大丈夫か?」

「う、うん。私は大丈夫。それより康生は!?」

 二人はすぐに康生の顔をのぞきこむ。

 体の傷は全て消えている。ならば康生はまだ生きているはず。だけど何も反応を示さない康生を見て二人は不安の表情を浮かべる。

「う、うぅ……」

 しかしその不安は杞憂に終わり、康生はまもなくしてゆっくりと目を開く。

「康生っ!」

 康生が起きあがるのを見てエルが思わず康生に抱きつく。

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