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恩義

「一体どうするつもりだ?」

 AIが語った、康生を助ける方法を聞いた上代琉生達は黙り込んでしまった。

 各々、どうするぺきか考えているのだろう。

 しかしそんな上代琉生達に向かって一人の国王が尋ねる。

 どうするつもりなのかと。

「……そうですね。まずはAIの説明をしっかり聞きましょう。情報がないと判断しようもありません」

 上代琉生達が聞いたのは概要部分だけだった。

 そもそもどうやって康生を例の魔力によって生み出された化け物にさせるのか方法は分からない。

 だからこそしっかりと話しを聞く必要があった。

 すると、そう思っていた上代琉生の手元にあったスマホから一件の通知音が鳴った。

「――どうやら詳しい説明が届いたみたいです」

 そう言うと上代琉生はスマホに届いた資料を開く。

 そこには恐らくAIが独自で集めたのだろう、魔力で出来た化け物のこれまでの情報が載っていた。

 どうやらこれで康生を生き返らせることが出来るのだろう。

「とにかく一度落ち着きましょうか……」

 軽く書類を読んだ上代琉生は一度立ち上がり、場所を移動するよう提案する。

「そうじゃな。皆、疲れておるじゃろう。一度休憩を入れるべきじゃ」

 すると上代琉生の意見に賛同するようにリリスが間に入ってきた。

「……そうだな」

 流石の国王もこれ連戦続きの兵士達のことを思ったのか、素直に提案を受け入れる。

「ですが国王の皆様にはすぐに会議に参加してもらいます」

「あぁ、分かっている」

 そうして上代琉生の提案で、異世界人と人間達は新たに作られた拠点へと移動するのだった。

 当然、その間、エルの観察の元で康生も丁重に運ばれた。

 まだAIの言葉を全て信じる訳にはいかないが、それでも康生があの魔力の化け物と同じようになるかもしれないという可能性がある以上、放っておくわけにはいかない。

 といってもすでに皆は康生に恩義を感じている以上、そこまで雑な扱いをするはずがなかった。

 そうして兵士達はここでようやくその身を休めることが出来る。

 戦いは無事に終わったのだ。

 しかし兵士達の表情は明るくはなく、皆やはり何か晴れない表情をしていた。

 戦いには勝ったが、康生のことが解決しない限り完全に終わったとは言えないからだろう。

 しかし国王達の指示により兵士達は各々体を休ませることになった。

 そして国王達はわずかの休息の後にすぐに上代琉生の元に集まる。

「――さぁ。それじゃあ説明してもらおうか」

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