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混乱

「くそっ!もう一回……、ぐっ……!」

 康生が蘇生しなかったということで、リナさんは再び康生に電気を流し込もうとする。

 だがリナさんは魔力を使おうとした瞬間、膝からおれて倒れ込んでしまう。

「リナっ!もうやめなさい!これ以上はだめよ!」

「で、ですが……!」

 咄嗟にエルに止められたリナさんだったが、それでも康生を助けるために魔法を使おうと足掻く。

「わ、我々もやるぞ!おい雷魔法を得意する者は前に出ろ!英雄の命を救えっ!」

「は、はいっ!」

 リナさんが倒れたことですぐに国王達の呼びかけで兵士達が前に出る。

 魔力がない中、それでも何十人者兵士達が康生のために頑張ろうとしている。

「わ、分かったわ。じゃあ皆一人ずつお願いっ」

「「はっ!」」

 エルはそういってリナさんを他の人に任せ、再び心肺蘇生法を試そうとする。

「よし!いくぞ!」

「うんっ、お願い!」

 そうしてそれから何度か康生に電気を流し込み、必死に心肺蘇生法を試すが結局康生が息を吹き返すことはなかった。

「くそっ!まだ諦めてたまるかっ!」

 だが上代琉生はそれでも必死に康生を蘇生しようと腕に力を入れる。

 しかしその場の誰しもがもはや康生の蘇生が半ば絶望的なのだと諦めていた。

「康生っ、やだよっ!こんなところで死んじゃやだよっ!」

 そしてエルもまた康生の死を間近に感じて大粒の涙を流した。

 もはやもう康生の蘇生は絶望的だった。

 このまま細胞が死んでいく。

 今はもうそれを待つことしか出来ない様子だった。


『――皆さん落ち着いてください。特にエルさん一度落ち着いてもう一度ご主人様の体を調べてみてください』


 するとそんな中、AIがゆっくりとしゃべり出した。

「……どういうこと?」

 エルはすぐにAIの言葉に反応する。

『とにかく早く調べて下さい。もしかするとどうにかなるかもしれません』

「本当にっ!?」

 AIの言葉にエルだけではなく、その場の皆全て反応を示す。

 そしてエルはAIに言われたように再び康生の体を調べる。

「えっ……?そんな……。で、でも……」

 すると康生の体を調べたエルは何か戸惑ったような反応を見せる。

「どうしたっ?」

 そんなエルを見て上代琉生が真っ先に尋ねる。

「康生は……まだ死んでない……」

「えっ?だ、だか心臓が止まっているじゃないか」

 エルの言葉が信じられない様子で上代琉生は聞き返す。

 生きていると言うが、心臓が止まっていることは上代琉生だって耳を当てて確認した。

 それなのに一体どういうことだろうかと上代琉生は混乱する。

『やはりそうですか。ならばご主人様が生き返る方法があるかもしません』

 しかしAIは上代琉生の疑問に答えず、康生を助けるための手段を考え始めるのだった。

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