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退避

「――さて、そろそろいくか」

 しばらく様子を伺っていた康生はゆっくりと装置を構える。

 人型の生物が警戒している時間でなんとか皆は移動出来たはずだ。

 そろそろ攻撃をしても被害は及ばないだろうと康生は考えた。

 装置を構えたことで人型の生物もさらに警戒を深めてくる。

 動きだそうとする康生を見て、人型の生物も警戒しながらだがゆっくりと体を動かし攻撃の体制をとる。

 向こうもこれ以上警戒してじっとしているのも無駄だと思ったのだろう。

 だが唯一の勝機として、人型の生物の知能が発達していないことだ。

 先ほどまで人型の生物は近接攻撃しか経験していない。

 あれだけ近接攻撃で知能を高めることが出来た人型の生物だが、こうして長距離で、しかもこの硬直状態は未だ経験していない。

 それがあの災害に勝てる唯一のチャンスであり、勝機である。

「くっ!」

 だが先に動いたのは人型の生物だった。

 このまま待っていても何も出来ないと思ったのだろう。

 一気に距離を詰めればしとめられると考えたのだろう。

 しかしそれは康生は読んでいた展開だった。

「はぁっ!」

 一気につっこんでくる人型の生物を見ながら厚生は再び距離をとるために背後へ移動する。

 だが距離をとろうにも人型の生物は一気に距離をつめてくるので簡単に出来ない。

「ほらっ!餌だっ!」

 しかし康生は再び魔力の塊を放出し、動きを止めようと考える。

 だが先ほどはそれにより隙を与えてしまったということで人型の生物はそれに見向きもせずに康生に向かってくる。

 しかも今、康生の手元には膨大な魔力がある。

 康生と距離を近づけ、その魔力に気づいたからこそさらに一直線につっこんでくるのだろう。

「ふっ」

 だが康生はその動きをよんでいたかのように表情を緩める。

「いけっ!」

 康生が叫ぶと魔力の塊から巨大な火炎放射が放出される。

「っ……」

 一瞬、人型の生物の見えない表情が歪んだように見えた。

「これで決めるっ!」

 背後からの突然の魔法に人型の生物が気をとられる。

 その隙を見計らって康生は装置を構えてまっすぐ放つ。

 至近距離での攻撃。

 これならば確実に攻撃があたるだろうと考えた康生は躊躇せずに引き金をひいた。

「いっけぇっ!!」

 康生が叫んだ瞬間、巨大な装置から魔力の塊が一気に放出される。

 そしてそれはそのまま人型の生物にぶつかる。

 大量の魔力をその身に浴び、処理が出来なくなり暴発し、勝利する。

 魔力の塊がぶつかったのを確認した康生はすぐに退避しようとする。

 だが、

「なっ!?」

 次の瞬間、康生はその動きを止めた。

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