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指揮

「くそっ!俺だってまだやれるっ!」

 作戦会議が終わった後、エルに傷を治してもらつたザグはすぐにでも康生と共に戦おうとしていた。

「やめろザグ。あれは私達にはどうしようもできない存在だ」

 同じく傷を治してもらったリナさんがすぐにザグを止める。

「それに無駄に魔力を使うな。貴様もこの作戦のために魔力をとっておけ」

「くそっ……」

 リナさんに止められてザグは悪態をつく。

 しかしリナさんの言うようにこの作戦のためにザグは力を使うわけにはいかない。

「その通りですよ。治って早々で悪いですけど二人にはしっかり動いてもらいますよ」

 そしてそんな所に上代琉生がやってくる。

 各国の国王達に作戦の指示を出した上代琉生はすぐに二人に作戦の指示を出しに来たようだった。

「それにしても本当にそんなことが出来るのか?」

 一緒に作戦を聞いていたザグだったが、それでもその作戦が本当に成功するか未だに疑心暗鬼のようだった。

「必ず成功しますよ。いやさせます。その為に二人も協力お願いしますからね」

「あぁ、分かっている。各国で決まったことだ。今更反対する気もない」

 上代琉生の強い一言にリナさんはすぐに頷いた。

「だがなぁ……」

 しかしそれでもまだ作戦の成功に疑心暗鬼のザグは顔をしかめる。

「うるさいのじゃっ」

「いっ!」

 するとそんなザグの頭上にリリスが手のひらをたたき落とす。

「ぐだぐだ言ってないで早く動け。そのままじゃ一生康生に追いつけないぞっ」

「わ、分かったよっ」

 流石のザグもここで悩んでいる時間がないことは分かっている。

 それにリナさんの言ったように各国の国王達と決めたことだ。

 だからザグは作戦の真意を分からずとも仲間を信用するしかない。

「よっしゃっ。じゃあ俺がありったけの魔力を注いでやるよ!おいっ、早く魔道具を持ってこいっ!」

「もぅっ!人使いが荒いですっ!」

 ザグが呼ぶと魔道具を抱えたメルンが走ってくる。

「全く……。私は本来力仕事は苦手なんですよっ……」

「ありがとなっ」

 愚痴を吐きながらやってきたメルンにザグは軽くお礼を言って魔道具を受け取る。

「これに魔力を流し込めばいいんだよな?」

 そうして魔道具を手に取り上代琉生に確認する。

「はい。これで魔力を貯蓄出来ます。それで全ての者の魔力が集まった時が作戦の開始です」

 そう言うと上代琉生は再び現場の指揮をとるために移動を始める。

「へっ、ありったけの魔力を注いでやるよっ」

 そしてザグは魔道具を持った手に力を入れ、魔力を集める。

 するとザグの手がうっすらと光ると魔道具に魔力が流れ込んでいるのが分かる。

「あんまり張り切りすぎて倒れるなよ」

 そんなザグを見てリナさんは少し心配するように声をかけるのだった。

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