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死角

「くっ……!」

 康生は死角からの攻撃に僅かに反応が遅れてしまう。

 そのせいで攻撃が体をかすってしまうが、しかしダメージを最小限に抑えることができた康生はただちに敵の体内から魔力を吸収する。

(くそっ……、やっぱりこいつ学習してやがる……!)

 瞬時に魔力を吸収しようとした康生だったが、人型の生物は康生に接触したかと思うと、瞬時に離れた。

 これらは全て魔力を吸収されないようにするための動きだった。

 さっきまではそんな動きすら見せなかった敵だったが、だんだんと康生との戦闘で学習していきどんどん戦闘能力をあげていっていた。

『英雄様っ!今の戦闘の勝率を教えて下さい!』

 しかしそんな中、上代琉生からの無線が入り康生は僅かに意識をそちらに向けるが、すぐに人型の生物の攻撃により意識を集中せざるをえない。

「――きついっ!」

 だからこそ康生はたった一言、大声で上代琉生に勝率を伝える。

『分かりました!とにかく今は踏ん張ってて下さい!すぐに俺達でなんとかします!』

 だからこそ上代琉生はすぐに皆を集めて作戦を会議を始めようとする。

 康生が人型の生物を一人で引き留めてくれているから今こそ、異世界人も人間も関係なく力を合わせようと考える。

「国王の皆さん!すぐに集合して下さい!兵士の皆さんは周囲に人型の生物が逃げないように監視をお願いします!」

 そこで今までただ呆然と康生と人型の生物の戦いを眺めてた兵士達が指示を受けようやく反応を示す。

「お、おいっ、あれなんなのだっ!?あれは本当に魔力の塊だというのか!?」

 だが未だ皆の間には混乱が広がっている。

 ただでさえ魔力の塊相手ですら苦戦していたというのに、いきなりあんな生物が生まれてしまえば誰だって混乱してしまう。

「あれの元は魔力ですが、今はそんなことは関係ありません。とにかくすぐにあれを倒す算段を話し合わないと恐らくこの世界は一瞬に滅んでしまいますよ!」

 集まる国王達は人型の生物にただただ困惑している様子だったが、上代琉生の言葉を受けて皆世界の危機ということで表情を引き締める。

 流石は一国を担う国王達といった様子だった。

「現状、あれを倒すには先ほど同様魔力を全て吸収するしかありません。ですがあれは自在に体を動かし、的確に攻撃を回避して来ます。それは今戦っている康生ですら例外でありません」

 康生の攻撃すらも当たらないということで、意識を切り替えた国王達も流石に表情を崩さずにはいられない。

 だがだからといって諦める訳はいけない。

「とにかく今は魔法に精通している異世界人の皆さんの協力、そして人間の圧倒的な数の力が必要です!だから皆さん力を貸して下さい!」

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