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気迫

「メルンっ頼むっ!」

「分かってますよっ!」

 リナさんが物体に突撃していくのと同時にメルンに援護を求める。

 左右からいくつもの魔法が迫っているにも関わらず突っ込んでいくのは全てメルンの援護を信じてのものだった。

 だがそれでもリナさんは援護は最低限のものに抑えているようだった。

 しかしその反面、

「こっちも頼むっ!」

「ちょっと!何回目ですか!リロード時間もかかりますし連発は出来ないですよっ!」

 ザグは最大限メルンのサポートに頼っているようで、ことあるごとにメルンに援護を求めていた。

 流石のメルンも何度も何度も援護を求められても、この魔道具はそう連発して使えないこともあり僅かに文句をぶつける。

「そこはしっかり考えてもらってるから大丈夫だっ!」

『はい、安心して下さい』

 だけどリロード時間、さらには緊急時の時のことも考えてAIが完璧に計算した上でザグはメルンに頼っているのだと知り、メルンは大きくため息を漏らす。

「もぅ……私はさっきまで死ぬほど働いたのに……。そもそも私は戦闘に参加するタイプじゃないんですよっ……」

『安心して下さい。照準はしっかり私が合わせていますので、メルンさんはリロード及びトリガーを引いてくれれば大丈夫です』

 しかし実際のところ魔道具の照準を合わさる動作は全てAIを頼っているので、そこまでの仕事量ではない。

 だがそれでも先ほどまで大量の魔道具を作っていたということもあり、あまりにも過労な環境にメルンは文句を言わずにはいられなかった。

「よしっ!さんきゅーっ!これでっ……!」

 メルンの援護によりザグを襲おうとしていた魔法が打ち消された。

 それによりザグは再び物体の元へと接近していた。

 そしてその反対側でも、

「こっちももうすぐいけるっ!」

 リナさんも物体の目の前まで接近していた。

「同時に行くぞ!」

「おうっ!」

 どちらかが攻撃してしまえば、片方が物体に取り込まれかねないということでリナさんは同時攻撃を提案する。

 ザグもそれは分かっているのか、すぐにその案に乗りAIを経由してタイミングを合わせる。

「「はっ!」」

 おかげで息がぴったりとあった攻撃が繰り出された。

 するとどうやら同時に攻撃されたことでかなりのダメージが入ったのか物体の動きが僅かに止まった。

「うしっ!ならもう一発っ!」

 リナさんがすぐに退避する中、動きが止まったことでザグが最後に追加の攻撃を入れようとする。

『メルンさんっ!すぐにお願いしますっ!』

 だがその直後、AIにしては珍しく切羽詰まった気迫でメルンに無線を飛ばすのだった。

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