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援護

「リリス様っ!お待たせしましたっ!」

 突然浮かび上がった魔法陣からメルンの声が響く。

 一体どこから、そう思った瞬間魔法陣の中からメルンが現れるのだった。

 いや、メルンだけではないリナさんやザグ、奈々枝など大勢の人員が魔法陣の中から出てきた。

「なっ!?」

 遠目で見ていた国王達はその光景を見て驚き、すぐさま説明を求めようとする。

「今は戦況の打破が先じゃっ!説明は後でする!」

 だが無駄な混乱を抱かせる前にリリスが叫び、牽制した。

 国王も流石にこの状況で無駄な時間を使えないことは分かっているのか、魔法陣についての疑念をぐっとこらえた。

「皆さん!先ほどお話した作戦通り、この魔道具を使って下さいっ!」

 そしてメルン達と共に現場に到着した大量の魔道具を抱えてエルは叫ぶ。

 それと同時にリナさんやザグを先頭に左右に散らばっている兵士達に魔道具を渡そうと飛び上がった。

「これでこの戦い我々の勝利だっ!だが最後まで気を抜くなよっ!」

 先頭を飛ぶリナさんが戦場に向かって叫ぶ。

 唯一物体を倒せることが出来る魔道具を持って。

 だが兵士達の中にはまだその魔道具を完全に信用しきっていない者もいる。

 そんなことを知ってか、リナさんとザグは目の前に立ちふさがった物体に向かって容赦なく攻撃を入れた。

「おぉっ……!」

 二人の攻撃が直撃した瞬間、小さな物体は跡形もなく消えて去ってしまうのを見て兵士達が小さく声を漏らした。

「よしっ。皆の者、いくぞっ!」

 魔道具の効力を確認した国王は真っ先に兵士達に呼びかける。

 兵士達もこれで物体を攻撃することが出来るということで、士気もみるみる内にあがっていった。

「どんなに小さくても一つたりとも見逃すなよ!この災害はここで全部終わらせる!」

 そして最後にリナさんの声に、魔道具をもらった兵士達は真っ直ぐに物体へ向かっていったのだった。




「メルンよくやったぞっ」

「本当ですよっ!これだけの量をあんな短時間で作れなんて言われた時にはキレそうになりましたからねっ!」

 無事に魔道具を全て作成したメルンに向かってリリスは労いの声をかける。


「それで例の物も完成しているのか?」

「えぇっ、当然ですよ!以前から康生さんと作っていた魔道具なら完璧に出来上がりましたよ!なので今から渡して来ますっ!」

 そう言うとメルンはひときわ大きな荷物を持って康生の元へと飛んでいった。

「待て!リナっ、ザグっ!メルンを援護するのじゃっ!」

「了解しましたっ」

「了解だぁっ!」

 真っ先に康生の元へと飛んでいったメルンを見て慌ててリリスはザグ達に援護を頼む。

「――ふぅ、本当にせっかちな奴じゃ」

「いいじゃない。これでようやく反撃が出来るんだから」

「まぁ、そうじゃな」

 ため息をつくリリスに向かってエルは僅かに緩んだ笑みを向けるのだった。

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