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厄介

「おぉぉぉっ!」

 エルのかけ声によって人間達と異世界達の思いが一つに重なった。

「リリスっ!あの化け物は貴様等が一番知っているのだろうっ!貴様も元国王ならばならばすぐに指示を出せっ!」

 自然と思いが一つにつながったからか、あれだけリリス達に指示を出されるのを嫌がっていた国王達は素直にリリス達に指示を求める。

 今、あれをどうにか出来る手段はリリス達が知っていると確信しているのだろう。

「任せるのじゃっ!皆まずは奴から距離をとれっ!じゃが絶対に逃がしてはならぬ!絶妙な距離をとりつつその場にとどめておかせるのじゃっ!」

 国王に言われてからリリスの行動は早かった。

 すぐに現状を把握し、人間達と異世界人達にそれぞれ指示を出す。

 現在康生と対峙している一番大きな物体は康生に任せ、残りの二つの物体をそれぞれ相手どらせようという作戦だった。

 しかし攻撃は出来ずに、ただ攻撃を回避し続けることしか出来ない中、兵士達は未知なる敵相手にどう対応すればいいか分からず戸惑っていた。

 だがそれでも先ほどのように、お互いがお互いをフォローしあって、なんとか物体からの攻撃を回避出来ていた。

「とにかくそのまま耐えてくれっ!怪我をしたものはすぐに我の元に来い!すぐにエルが治してやるからのっ!」

「任せてっ!」

 リリスとエルがそれぞれの戦況を見渡しながら指示を出し、怪我をした者がいればすぐにエルが治療する。

 どうしようもない敵を相手にしながら戦っている中でも、どうにか立ち回ることに成功していた。

 しかし問題は物体の対処方法だった。


『英雄様っ!背後からきます!』

「分かったっ!」


 それぞれの物体と兵士達が戦っている中、ひときわ大きな物体を相手に康生は奮闘していた。

 魔力の塊というだけあり、その物体は多種多様な魔法をほとんどノータイムで放っくるので非常に厄介だった。

 しかしそんな康生を上代琉生がしっかりとサポートしているおかげで、今のところは無傷で戦うことが出来ていた。

『だんだんと小さくなっているっ!英雄様!そのまま気を抜かないで下さい!』

「分かってるっ!だが問題は小さくなってからだろっ!」

『そうですね……。いくらか動きは予想していますが、果たしてどうなるか……』

 康生は物体を前にして、先ほどの人間達との戦いを思い出す。

 あの時も、物体を消滅させることに成功したと思ったらまだ残っていたということがあった。

 こいつはたとえ僅かでも残っていれば、そこから魔力を吸収して再び成長する。

 それだけは絶対に避けなければならないのだ。

「くそっ!厄介な奴めっ!」

 康生が回避するために使った風の魔法の魔力をすぐに吸い込まれてしまい、康生は苛立ちとともに舌打ちをするのだった。

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