表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
597/651

分断

「な、何が起きているっ!」

 突如動き出した物体を見て、皆一様に反応を見せた。

 先ほどの康生への攻撃があった手前、どう対処すればいいか分からず、ただただ混乱の渦に巻き込まれていた。

「研究では、この物体は魔力を求めて動くそうです。つまり、こいつの次の目的地は大方、異世界でしょう」

「な、なんだとっ!?」

 康生の言葉に異世界人達はたちまち慌てたように反応を示す。

「す、すぐに止めろっ!」

 突然の出来事に気が動転し、国王はすぐに兵士達にあの物体を止めるように指示を出す。

「待てっ!」

 だが康生は咄嗟にそれを止めようとする。

 しかし自分達の故郷にあんなものが行くと知った兵士達は冷静ではなく、康生の止める声など聞かず、すぐに物体へ向かって攻撃を仕掛けた。


「――なっ……!?」


 だが次の瞬間、異世界人の兵士達へ向かって一斉に魔法が降り注いだ。

 火や雷、水や風、土や氷などあらゆる属性魔法が一斉に兵士達に降り注いだ。

 それは異世界人の兵士達が攻撃を仕掛けた瞬間だった。

 その一瞬の間に、物体は攻撃を仕掛けてきた兵士達全員に向かって攻撃を放った。

「くそっ、そいつに手を出した瞬間、殺されるまで攻撃をされるぞっ!」

 康生はすぐに異世界の兵士達に叫びながら、兵士と物体の間に移動する。

 一斉に降り注ぐ魔法に向かって康生は両手を広げた。

「はぁっ!」

 康生が叫び声をあげると同時に、一斉に降りかかった魔法が一瞬にして消滅してしまった。

「おぉっ……」

 そんな康生の神業に兵士達は感心したように声を漏らす。

 だが康生はそんな兵士達を睨みながら叫んだ。

「攻撃をした以上、皆さん覚悟してて下さいね!こいつは敵対生物がいればそれを滅亡させるまで執拗に攻撃をしてくるからなっ!」

 そう康生が叫ぶと、物体はさらなる攻撃を仕掛けてきた。

「なっ!?」

 しかも今回は先ほどの攻撃の倍以上。

 恐らくその場にいる生物全てを狙ったものだろう。

 異世界人だけでなく、人間達にまで攻撃範囲を広げた、広範囲の総攻撃だった。

「これは俺一人じゃ全て防ぎきれない!だから皆死ぬ気で逃げろっ!」

 そう康生が叫んだ瞬間、兵士達は一斉に魔法を回避するためにそれぞれの方向に向かって退避した。

『英雄様っ!最悪の展開ですっ!』

 だがそんな中、康生の元に上代琉生の無線が届く。

「あぁ。こっちも見えてるっ」

 しかし話を聞く前に康生は物体を見上げて焦ったように冷や汗をかいた。

 なんと物体は攻撃を繰り出しながらその体を、複数の塊に分断していたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ