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 突然映し出された影像には、確かに上代琉生の言うように人間達の映像と異世界人達の映像が流れていた。

「な、なんなんだこれはっ!?」

 その映像に流石の国王達もすぐに反応した。

「これはお互いの国民達の現在のリアルタイムの映像です」

「リアルタイムだとっ!?」

 上代琉生の言葉にその場の者達は一斉に動揺する。

 突然ことで皆、訳が分からないのだろう。

 どうしてこのタイミングでそんなものを写しだしたのか、そして一体どうしてそれぞれの国の映像を映し出しているのかと疑問が尽きない様子だ。

「これはたった今、俺達の仲間がそれぞれの国から中継してもらっている」

 上代琉生の言うように、映像の隅にはそれぞれザグ達と奈々枝達が写っていた。

「そして現在、写っている者達は皆我々の信条に賛同してくれている者達です」

 そう宣言した瞬間、国王達は一斉に動揺を見せた。

 さらにタイミングを合わせたのか、映像の中からはエル達を指示する声が大量に聞こえてきた。

「一体いつの間にっ……」

 恐らく康生が戦っている間にそれぞれの場所へと移動したのだろう。

 だがそれにしても一体どうしてこんな短期間でこれだけの賛同者を集めることが出来たのか理解不能だった。

「どうじゃ。我らの賛同者はこれだけいる。それでもお主らはまだ我らが少数だと言いたいのか?」

「それはっ……」

 リリスの言葉にもはやクロスは反論出来ずにいた。

「どうじゃっ!我らにはすでにこれだけの賛同者がいる!これら皆が平和を願っている!これらの者達が戦わない世界を夢見ているのじゃっ!」

 国王達が黙る中で、リリスは必死に叫ぶ。

 誰もが平和な世界を夢見て。

 そして父親の夢を果たすために。

「それでもお主等はまだ争いを求めると言うのかっ!?」

「っ…………」

 誰しもがその言葉に何も言い返せずにいる。

 上代琉生が写した映像にはそれだけの効果があった。

「皆が恨み合う気持ちは分かる。だけど本当にそれだけでいいんですか?ただ己の為に、恨みを果たすだけためにこの世界の未来――いいえ、自分自身の平和な未来を壊すことになってもいいんですか?」

 そしてリリスとは逆に、優しく語りかけるようにエルは口を開いた。

 ただお互いが争い合うだけじゃ、自分自身も幸せになれないと訴えかける。

「皆で協力して、皆のために、そして自分のために未来の選択を間違えないで下さいっ」

 そして最後にエルは心に訴えかけるように、ただ切実に願った。

 だが、

「違うっ!そんなのはただの理想論だっ!」

 そんな中ただ一人、クロスが焦るように口を開くのだった。

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