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映像

「――我は命令するぞ。たとえ憎しみを持っている敵であろうと平和のために我慢しろと、我は命令してみせるぞ」

 エルが口ごもっている中、その代わりとしてリリスがしっかりとクロスの目を見て答えた。

 流石のクロスもまさかここまではっきりと言われると思っていなかったからか、わずかに動揺する。

「本気なのか?お前はたとえ親を殺した奴でさえも仲良く手を取り合えと命令するのか?」

「あぁ、するぞ」

 すぐにクロスが反論するが、リリスはそれでもはっきりと即答した。

「狂っている!そんな狂気じみたことを部下に強制するなど言語道断だ!お前達のそれはただの独裁政治だ!平和などと口にしながら、結局は貴様等の思い通りに下々の奴らを管理しようとしているそれと同じだ!」

 リリスのあまりにも狂気じみた回答にクロスは大声をあげた。

 リリス達の言うそれはただの独裁政治だと。

 正義だ平和だなんていいながら、結局は下の者のことを考えずに自分勝手な政治をする毒在社と同じだ。

「それがどうした?それじゃあ逆に聞くが貴様等は自分の思い通りの政治をしているのではないか?それに反対している者もいるのを知っていながら」

「そんことはないっ!」

 リリスの問いかけにクロスはすぐに否定する。

「そんなことはあるぞっ」

 だがリリスはそんなクロスの言葉を真っ向から否定した。

「お前が王に就任した時。お前は確か兄弟と王の座をかけて戦ったな?」

「それがなんだ?」

「お前が王になるのを望まれた通り、兄弟が王になるのを望んだ者もいた。だがお前は王になっても自分の思うような政治しかしてこなかった。これか我らと何が違う?」

「そ、それはっ……」

 リリスの正論に、クロスは口をつぐむ。

「我らは我らの思うような未来のために動く。それに賛同してくれる者達を集めてな」

「だがっ!お前達の考えに大勢の者が反対しているのは事実だろっ!?」

 しかしクロスはそれでも必死にリリスにかみつく。


「――さて、それはどうでしょうね?」


「なんだとっ!?」

 だがクロスの問いかけに答えたのはリリスではなく、上代琉生だった。

 上代琉生は口を開くと同時に真っ直ぐクロスの前まで歩いていく。

 そして同時に空中にいる兵士達にも見えるような、巨大なスクリーンを空中に表示させて見せる。

「これは現在の人間の首都、及び異世界人達の国の映像だ」

「何っ?」

 突然映し出されたその映像には、上代琉生の言うように人間達の姿と異世界人達の姿が写っていた。

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