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罪状

「今日はその男の罪を裁きにきた」

 都長のその一言によって広場はざわざわと困惑の声に包まれた。

「つ、罪とは一体どのような罪なのでしょうか?」

 そんな中、時雨さんは果敢に都長に問いかけをする。

 そして当然だが康生は罪など犯した事など何も心当たりがない。

 それでもこうして都長がこの場に来ていることからどうしても康生は緊張の表情を浮かべてしまう。

「おい」

 都長が一言隣に立っている男に声をかける。

 すると男はあらかじめ手に持っていた紙の封筒を開け中から一枚の紙を取り出す。

「今から罪状を読み上げる」

 前に掲げられた紙に自然と皆の視線が動く。

「汝は、民衆を前にして虚偽の発言をし民衆を洗脳しようとした。民衆の心を偽った罪は重し。よって汝を死罪とする。――以上が罪状と刑罰とする」

 男が放った言葉に広場に集まった人々は皆息を呑む。

 やがて広場の視線は罪状の紙から数メートル離れたところに移動する。

 その視線が集まった場所には、困惑したような驚いたような、複雑な表情を浮かべる康生が立っていた。

「何か弁明はあるか?」

 最後に一言男は言い放つ。

 その威圧感に康生は何も言えずただじっと立ち尽くすことしか出来なかった。

 本当だったらすぐにでも違うと否定を入れるべきなのだろうが、男が放つ威圧感、それに殺気も混じり康生は何も反論をすることが出来なかった。

「康生……」

 そして隣に立っている時雨さんでさえも、都長相手には流石に言い返すことが出来ないのか、じっと見守ることしか出来ずにいた。

 そしてそうなれば当然、それを聞いていた人々は康生に疑惑の目を向けることになる。

 それは康生自身にも痛いほど感じられた。

「ふっ。それじゃあ連れていけ」

 やがて都長が命令すると、隣に立っていた男が罪状を戻しゆっくりと康生に近づく。

 誰もが何も言うことなく見守る中、康生はやはり近づいてくる男に恐怖に萎縮していた。

「待って!」

 しかしそんな中、男と康生の間にエルが飛び出す。

「康生は嘘なんて一言も言っていないわ!」

 誰もが静観している中、エルただ一人が声をあげて叫んだのだった。

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