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 パンッ!


 広場に響いた一つの銃声は皆の動きを止めるには十分な効果を発揮した。

 そしてその静寂を作った物は街の中や人々の中から発せられた物ではなく、広場中心の建物から発せられた事からも人々を静寂するには十分すぎる効果があった。

 康生とエルは時雨さんと共に背後を振り返る。後ろに立っていた兵士達より後ろを。

 すると初めは兵士達によって見えなかったが、兵士達がすぐに中央をあけるように左右に移動したおかげで広場中央の建物の入り口がはっきりと見えた。

 それと同時に先ほどの音を発した銃がはっきりと見えた。

 兵隊達が開けた道の先には、中年で脂肪が目立つおじさんと、その横に大きな銃を持った黒ずくめの男が立っていた。

「ふっ、やっと静かになったか。この愚民共が」

 中年のおじさんは兵士達が開けた道を我が物顔で歩き始める。

 しかも兵士達は中年のおじさんが通ると深々と頭を下げる。

「時雨さん、あの人って……」

 だからこそ康生は咄嗟に時雨れさんに耳打ちした。

 しかし声が大きかったか、それとも場が静かすぎて聞こえてしまったのか、中年のおじさんは康生の発言をしっかりと耳で捉えていた。

「なんだ?まさかそこのガキは儂の事を知らないと言ったか?」

 康生を睨むように見ながらゆっくりとこちらへと向かってくる。

 しかし康生は当然こんな人知る由もなくただただ首を傾げる。

 それを見て腹を立てたのか中年のおじさんはイライラとした口調で時雨さんに視線をずらす。

「おいっ!時雨!そのバカなガキに教えてやれ!儂がどれほどすごい人間なのかを!」

 威張るように言い放つその態度はどこまでも自分勝手で、頭が悪いイメージを康生は抱く。

 しかしエルと康生を除く、その場にいる誰もがその男に畏怖の念を抱いていることは十分に感じられた。

 つまりこの男はそれほどの権力を持っているのだと康生はすぐに感じとった。

 そしてそれを確定する為に時雨さんは口を開く。

「――あのお方はこの地下都市の都長であり、いわばの地下都市のトップであられる方だ」

「トップ……」

 時雨さんの言葉を聞き真っ先に反応したのはエルだった。

 時雨さんの言葉を聞いた瞬間に、エルは緊張した顔でじっと康生と都長を見守っている。

「それで、今回は一体どのようなご用でしょうか?」

 きっと優秀さでいえば時雨さんの方が優秀なのだろうが、そんな時雨さんが自分より下の人間にへりくだる姿を見て康生はなんとも言えない気持ちになる。

 だがそんな康生の気持ちを無視して話は進む。

「今日はその男の罪を裁きにきた」

「……えっ?」

 話が進む中で、都長が思いがけない発言をし、康生は口をポカンと開けることしかできなかった。

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